米映画協会、新型P2Pネットワークのコアユーザーを提訴 - (page 2)

John Borland(CNET News.com)2004年12月15日 19時25分

 その後、音楽・映画業界の各社は、分散型サービスを提供する第2世代のファイル交換サービス企業を提訴した。分散型サービスでは、中央のサーバではなく個人ユーザーが所有するコンピュータが交通整理の役割を果たす。そのため、判事らはユーザーが行なった行為についてサービスを提供する企業は法的責任を負わないとの判決を下した。エンターテインメント企業はこの判決を不服とし、最高裁に上告した。

 eDonkeyはこれら2種類のシステムの混合型である。当初は、個人ユーザーらがネットワーク上でトラフィックを管理する、Napsterと同様の中央サーバを維持していた。いまでもこの旧版eDonkeyを利用しているユーザーは多い。現在MPAAが標的としているのは、それらのサーバの運営者たちだ。

 しかし、eDonkeyソフトの開発者らによると、現在は大半の検索が新版ソフト、すなわち完全な分散型ソフトによって行なわれているという。

 「eDonkey(ソフト)はもはや中央サーバに依存していない。従って、これらのサーバを停止したところで、ネットワークには何らマイナスの影響はない」とeDonkeyの開発者、Jed McCalebは語る。

BitTorrentの相違点

 BitTorrentの仕組みはこれと全く異なる。このシステムでは、ファイルの共有を希望する個人ユーザーがそのファイルを配布できるよう準備し、「torrent」と呼ばれるファイルを作成する。torrentファイルはコンテンツを独自の方法で識別し、コンピュータにそのコンテンツの取得方法を知らせる。その結果、ハウツーファイルがネット中に拡散したり、ウェブサイトに掲載されたり、Internet Relay Chatのようなチャットネットワークを通じて広がる可能性がある。

 torrentファイルには「tracker」と呼ばれるサーバへの行き方についての情報が含まれている。このサーバは、実際にある特定のコンテンツに関連する全てのアップロードおよびダウンロードを容易にするもので、コンテンツの元の配布者によって運営される場合もあれば、無関係の第三者によって運営される場合もある。特定のコンテンツに関連するtrackerサーバがオフラインになると、そのファイルの全てのアップロード/ダウンロード機能が停止する。

 MPAAが標的としているのは、このようなtrackerサーバの運営者であり、たまたまBitTorrentのコンテンツへのリンクを発見し、自らそのコンテンツをダウンロードし始める人々ではない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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