KDDIと沖縄セルラー、ツーカーグループ3社は12月15日、2005年1月下旬から災害用伝言板サービスを開始すると発表した。このサービスはau携帯電話のインターネット接続サービス「EZweb」において一体となって行われ、一週間の期限付きだが「災害用伝言板体験サービス」も同時に実施される。
災害用伝言板サービスは、安否情報の登録・削除・確認、その他(サービス状況、問い合わせ等)を基本に、被害状況の報告やコメントといった文字情報を掲示板に掲載するもの。これにより「無事です」「避難所にいます」「自宅にいます」等の情報を、電話やメールが繋がりにくい被災地から発信できる。
また、伝言板へ安否情報を登録した際に、あらかじめ設定しておいた相手にメールを自動送信する機能も備わっている。この自動送信メールはKDDI、沖縄セルラーが3件まで、ツーカーは10件まで設定可能だ。KDDI、沖縄セルラーのEZWIN、EZwebmulti、EZ@mail、およびツーカーのEZweb@mail2、EZ@mail、プリdeEZを利用しているユーザーがサービスを受けられる。もちろん送信先アドレスは、インターネット接続可能な携帯電話のアドレスや通常メールアドレスのすべてが登録できる。
この災害用伝言板が開設されるのは震度6以上の地震や大規模な災害が発生したときで、安否情報の登録は被災地地域営業エリアおよび隣接県の在圏者に限り利用可能だ。このサービスは伝言板の利用状況やネットワークの規制状況により休止される。
伝言板の閲覧は、au携帯電話のEZwebのみならずすべてのインターネット環境から利用でき、災害用伝言板が開設されるとアクセス用のURLが表示される仕組みになっている。また、EZwebを通じて行われる安否情報に登録がなかった場合には「iモード災害用伝言板」のリンクを表示する機能も備わっている。サービスは一部サービスのパケット料金を除き無料で提供される。
今回の発表内容はURLの掲示に留まったが、災害時のキャリアの壁が無くなったことは大きい。新潟県中越地震の際にもiモード災害用掲示板は大活躍したが、他キャリアユーザーである被災者や安否を気遣う人々が不便を強いられたことは記憶に新しい。非常時の際に携帯電話が有効な通信手段になることは明らかだ。今後、各キャリアが災害時にどのような連携をとるのかが注目される。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」