「アーキテクチャとしてのBIOSは限界に達しつつある。そこでIntelでは、次世代ファームウェア技術であるEFI(Extensible Firmware Interface)に取り組んでいる」。Intelソフトウェア製品事業部 EFI/フレームワーク・マーケティング・マネージャーのヨシ・ゴヴェゼンスキ氏はこのように述べ、BIOSからEFIに移行すべき理由や移行計画について語った。
ゴヴェゼンスキ氏は、現在のPCファームウェアが複雑なトポロジー上でブートされていることや、新しいタイプのブートデバイスが登場するたびにOSブートローダを変更しなくてはならないこと、技術革新や改善の余地がないことなどの欠点をあげる。またBIOSコードがエンジニアに与える影響は、最初のシミュレーションから電源投入、出荷段階に至るまで幅広く、Intelとしても年間250人分の労力がこの技術に費やされていると指摘する。
Intel ソフトウェア製品事業部 EFI/フレームワーク・マーケティング・マネージャー ヨシ・ゴヴェゼンスキ氏 |
EFIとは、プラットフォームとOSとの共通APIセット。EFIを実装するフレームワークは、BIOSベンダーを通じて入手可能だという。フレームワークの中核となるFoundationコードは、オープンソースライセンスのもとでリリースされている。
EFI実装の特性としてゴヴェゼンスキ氏は、「機能的には従来のBIOSと完全に同等」という。このフレームワークを採用することで、アーキテクチャ的には無制限のステートを保存可能だという。Intelにとっても、「限られた時間枠で新しいテクノロジーを顧客に提供する能力が向上する」と同氏。新しいブートデバイスが登場しても、OSローダを変更する必要がないという利点もある。
また、EFIはC言語がベースとなっており、モジュラーアーキテクチャであるため、OEMベンダーもコードを再利用できる。さらにEFIベースの製造テストは、DOSに比べリブートが少なく高速で、スループット時間が短縮されるほか、EFI対応のOSを使用した場合、サーバのプリブート速度が3倍向上したというテスト結果も出ているという。
EFIの規格は業界団体が管理しており、Intel独自のものではない。2004年末をめどに、CollabNetよりFoundationコードおよびドライバ開発キットがリリースされる予定だという。BIOSベンダーからは、IntelのみならずIntelの競合向けのモジュールとドライバが提供される。OS面でも、IntelのItaniumプロセッサファミリーベースのOSはすでにEFI対応済みだという。Intelでも、ボード製品、チップ製品共に、2006年にはEFIフルサポートとなる予定としている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」