Intelが、PCやサーバのブート処理を高速化し、処理内容を分かりやすくする目的で設計したオープンソースコードを、CollabNetの協力の下リリースする。
IntelはCollabNetと協力体制を組み、Common Public License (CPL)のもとでドライバ開発キットとファームウェア基盤コードと呼ばれるソースコードを今年中に公開する予定だ。
このコードは、BIOS(Basic Input/Output System)ソフトウェアに代わるものの開発を目指したIntelのTianoプロジェクトから誕生した。BIOSは、コンピュータに内蔵および外付けされたハードウェアの構成をチェックし、これらのハードウェアがオペレーティングシステム(OS)、さらにはアプリケーションとやりとりできるようにするソフトウェア。
BIOSはコンピュータのなかで最も古く、ほとんど進化していない要素の1つだ。 IntelのプラットフォームソフトウェアマネジャーMike Richmondは、BIOSについて、大半が古い言語で記述されており、ひとかたまりのコードとしてPCメーカーに販売されている、と述べる。ハードウェアメーカーは、自社製品がPCをはじめとする各種デバイスと通信できるようBIOS互換のドライバを用意する必要がある。
コードを公開することで、ハードウェアメーカーは、自社製品用のドライバを効率よく開発したり、変更に先回りして対処できるようになる、とRichmondはいう。さらに、このファームウェア基盤コードはC言語で書かれると付け加える。
「中が見えれば安心して使えるようになる。BIOSはPCの誕生当初から存在しており、ずっと融通の利かないコードだった」(Richmond)
また、新しいコードやTianoはブート時間を短縮する。Tianoベースのサーバは従来のBIOSを搭載したサーバの3分の1の時間でブートするようになる、とRichmondはいう。American MegatrendsやInsyde SoftwareがTianoベースのブートソフトウェアを販売している。
Tianoは、業界標準のEFI(Extensible Firmware Interface)を実装しており、正式にはIntel Platform for Innovation Framework for EFIと呼ばれる。IntelはかたくなにTianoをBIOSと呼ぶことを拒むが、実行している機能は同じだ。
オープンソースプログラマもLinuxBIOSという同様のプロジェクトを推進しており、これまでの標準BIOSソフトウェアをLinuxベースの小型バージョンに置き換える取り組みを行っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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