Juniper NetworksがIPコアルータ戦略の次の段階を開始する。ライバルのCisco Systemsから市場シェアを奪い続けるのが狙いだ。
Juniper Networksは3日(米国時間)に待望のTX Matrixを発表する。TX Matrixは独立型のスイッチファブリックで、Juniper製T-640コアルータ4台の接続に使用される。スイッチファブリックは、データを入力ポートから出力ポートへリダイレクトする物理接続アーキテクチャを提供するもので、接続された4台のT-640は1台のルータとして機能するため、管理を容易化しつつ伝送容量を増大できる。
コアルーティング市場におけるJuniperの勢いは増す一方で、同社はCiscoから市場シェアを奪いつつあるが、このような状況の中で、TX Matrixは発売される。市場調査会社のInfonetics Researchによると、Juniperの市場シェアは昨年16%増加したのに対し、Ciscoのシェアは14%減少したという。
JuniperがTX Matrixのコンセプトを最初に発表したのは2002年のことで、その際にT-640がリリースされた。同製品はJuniperのコアルータの中で最大容量を誇るもの。すでに大手通信事業者のDeutsche TelekomとKorea Telecomの2社が自社ネットワーク内でTX Matrixのテストを行なっており、JuniperはTXがまもなく人気商品になると自信を見せている。
Deutsche Telekomの固定電話部門であるT-Comの技術エンジニアリング担当シニアエグゼクティブバイスプレジデント、Wolfgang Schmitzは次のように述べた。「全ての機能を備えたTX Matrixのベータテスト版のテストを実施し、成功を収めた。TX Matrixの商品化のタイミングが良いため、我々は必要に応じてネットワークを拡大/縮小して最適化できることになった」
TX Matrixは、それを設置した通信事業者が必要に応じてネットワークを拡大/縮小できる設計になっている。従来、通信事業者はインターネットのトラフィックの増大に対応するため、ルータのアップグレードや交換を絶えず行なわざるを得なかった。これに関して、各通信事業者社は一般的なアップグレードサイクルを2〜3年から少なくとも5年に伸ばすよう求めている。
Ciscoの最新コアルータ「CRS-1」も複数のコアルータを接続できる。Ciscoによると、TX Matrixが最高4台のコアルータを接続可能なのに対し、CRS-1が接続可能なコアルータの台数は最高72台で、この場合の総伝送容量は92Tbps(テラビット/秒)に達するという。
JuniperのTom Jacobs(シニア製品マーケティングマネージャ)は、72台接続できることは非常に素晴らしいが、しかし通信事業者がそれほどたくさんのシャーシをつなぎたいと考えることは決してないだろうと述べる。
「通信事業者が最も避けたいのは、中央局にあるハードウエアの数が増えることだ」とJacobsは述べ、また確かにスケーラビリティを求めてはいるが、スペースと処理能力を節減するソリューションも必要としている。これは地価が高いアジア諸国の市場に特にいえることだ」
JacobによるとJuniperのルータ製品は各マシンのスイッチング能力を個別にアップグレードできるように設計されているという。そのため、顧客のニーズがT-640の処理能力を超えた場合にも、Juniperはさらに高い処理能力を持つスイッチファブリックを新たに提供することで、これに対応できると同氏は説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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