ネットワーク機器市場が一段と熱気を帯びている。アナリストによると、電話会社やISPが、より多くのブロードバンド加入者をサポートしたり、インターネット電話のような新しいサービスを提供したりするために、IPネットワークをアップグレードしていることが追い風になっているという。
各社の第2四半期決算発表が続く中、アナリストらはネットワーク機器ベンダが好業績を発表することを期待している。これと対照的なのが、第2四半期が始まった当初から、すでに惨めな結果が見えていたソフトウェアや半導体市場だ。
「顧客には、決算書が報告される前に、投資先をソフトウェアや半導体関連企業から、ネットワーク機器ベンダに切り替えるよう勧めている。ネットワーク関連の大体の企業が第2四半期の実績は好調だったはずだ。2004年の間は、この市場が大きく成長し続けるとわれわれは考えている」と、Pacific Growth Equitiesの証券アナリストErik Suppigerは述べた。
米国時間13日に、ネットワーク機器ベンダの中で決算報告の口火を切ったのは大手のJuniper Networksだ。IPルータ市場でCisco Systemsとしのぎを削る同社では、売上高の成長率が予測を上回った。
Juniperの売上は、前年同期の1億6510万ドルから、86%もの伸びを示し、3億690万ドルに達した。それにも関わらず、同社は1260万ドル(1株あたり2セント)の損失を計上した。損失計上の主な原因は今年前半にNetScreen Technologiesを買収した際に発生した6000万ドルの費用だ。
今期の売上の伸びの一部はJuniperの製品ラインにNetScreen製品が追加されたことによるものだが、成長の約55%は、Juniperの従来からのIPルータ事業によってもたらされたと、同社最高財務責任者(CFO)のMarcel Ganiはコメントした。
「IPルーティング分野は、昨年来、弾みがついている。どの技術分野でも業績が軒並み下落した2003年でさえ、ルータ市場では横ばいを維持した。2003年第4四半期と、2004年の第1四半期で、売上は連続で2%ずつ増加している」と、Infonetics Researchの業界アナリストKevin Mitchellは述べた。
さまざまな要因が組み合わさって、この成長を後押ししたとアナリストらは言う。昨年11月にInfoneticsが発表した調査結果によれば、2002年から2003年までの1年間でインターネットトラフィックが倍増したとのことだが、これも要因の1つだ。また、通信事業者は、顧客のトラフィックの多くを、MPLS(MultiProtocol Label Switching)のような技術を利用した集中型ネットワークへ移行している。
さまざまな技術が統合されるにつれ、業界グループも再編を行うことで、これに対応している。MPLSを推進する通信事業者とベンダのグループであるMPLS & Frame Relay Allianceは、ATM(Asynchronous Transfer Mode)ネットワーク規格の開発と促進に重点を置く、もう一つの業界団体ATM Forumと米国時間15日に統合する予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス