今年はEコマースサイトに対する需要が例年より高いことが各種調査結果から明らかになっている。このことが逆にオンライン年末商戦に水を差す可能性があると、ある調査会社は述べる。
インターネットパフォーマンスを測定するKeynote Systemsによると、大手オンライン販売サイトは予想以上の需要に応え切れず、うかつにも顧客を追い返している可能性があることが米国時間11月29日のデータから読み取れるという。
同社がまとめた「Commerce Web Transaction Performance Index」から、オンラインで商品の購入手続きを完了させるのにかかる時間は通常は14秒だが、同日のデータでは一日平均21秒となっていることが分かる。
「顧客の5人に1人がオンラインで商品を購入できなかった」とKeynote公共サービス部門のシニアインターネットアナリストRoopak Patelは言う。
Patelによると、オンラインショップのレスポンスの遅れは、29日朝の太平洋標準時午前7時頃に始まり、その傾向は終日続いたという。
ただし、インターネット全体のパフォーマンスには、大きな変化は見られなかったとKeynoteは述べた。
消費者は自宅よりも高速なインターネット環境がある職場でプレゼントを購入しようとしたのかもしれないと、Patelは考える。
販売業者は、今年の年末商戦にはオンラインで大きな売上額を達成できると期待している。今までに発表された調査結果の大半も、前向きな展望を示している。
ウェブ統計調査会社のComScore Networksは、11月1日〜26日のオンライン支出額について、前年同期と比較して23%増加したと発表した。
感謝祭(今年は11月25日)の翌日は、年間で最も売上が期待でき、年間収支を黒字化できる時期であることから、小売業界では「ブラックフライデー」と呼ばれている。11月1日からブラックフライデー当日までのオンライン支出額は、2003年が46億ドルだったのに対し、今年は57億ドルだった。またブラックフライデー当日のオンライン支出額は、前年の1億7800万ドルと比べて41%多い2億5000万ドルだった。
Keynoteの調査対象に含まれている企業は、Amazon.comやBest Buy、Costco、Eddie Bauer、JCPenney、Office Depot、Office Max、Sears、Target、Wal-Martなど。
Amazon.comの広報担当は、自社サイトのレスポンスの遅れは認識しておらず、そのような情報は同社から発表されていないと語った。Best Buyの関係者も、同社は日々のパフォーマンスを発表していないと述べる一方で、現在ウェブサイトの改善に取り組んでいると付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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