先週感謝祭を迎えた米国市場では、早くも年末商戦に突入しているが、この一週間における小売各社の売上データが新たに発表された。これを見ると、PCメーカー各社にはいくつかの感謝すべき理由があることがわかる。
米国時間11月30日にCurrent Analysisが発表したデータによると、デスクトップ、ノートPC、モニタ、PDA、プリンタを含むPC関連ハードウェアは、合計販売台数こそ前年同期比4.6%増となったものの、売上のほうは1%減少したという。Current Analysisでは全米小売店における電子機器の売上を調査している。
この期間には、感謝祭翌日のブラックフライデー(黒字の金曜日)も含まれる。年末商戦の正式なスタートとなるブラックフライデーは通常、年末の繁忙期のなかでも最も忙しい日の1つで、同日の売上が年末商戦の行方を占うバロメータとなっている。米小売業協会(NRF)は今年、米国内の小売店の売上が4.5%増の2199億ドルに達すると予想している。
Current Analysisのシニアリサーチディレクター、Stan Schattは、感謝祭期間中にPC関連製品の販売台数が増加したことを、かなり良い兆候と捉えている。
「調査結果の数字は、『最高とまではいかないものの、良い年末になるだろう』という小売業者の意見と一致しているようだ。小売業者が期待するほど良くはないが、彼らが恐れていたほど悪くはない」(Schatt)
市場調査会社のNPD Groupによると、昨年米国では、ブラックフライデーを含むこの期間中に、コンピュータ等の電子機器の売上が合わせて6億3100万ドルに達したという。NPD Groupは、2004年度の調査結果をまだリリースしていない。
カテゴリ別の動向 Current Analysisのデータによると、デスクトップPCの平均販売価格は昨年から50ドル強低下し、2003年の663ドルから今年は610ドルとなっている。また感謝祭期間中のデスクトップの販売台数は前年比4.2%減で、売上高も11.8%減となった。
PC販売台数の約46%を占めるノートPCは、消費者の関心が高いことから前年比15.8%増と急増している。平均販売価格のほうは、2003年の1145ドルから今年は1033ドルへと低下しているものの、それでも売上高は5.2%増加した。
ノートPCの売上が伸びている一因としては、各社が特売品を用意したことも挙げられる。たとえば、Best Buyではブラックフライデーに東芝のラップトップPCを1台500ドル(ただし台数限定)で提供した。そのため、サンディエゴ・エリアのある店舗では、朝4時からこれを買うためのクーポンを手に入れようとする人々の行列ができたとSchattはいう。また、他の店舗でもこれと似たような大幅な割引を行って、買い物客に電子機器を買わせようとしていた。
PCモニターの販売台数は前年に比べて27.8%増加したが、これは液晶ディスプレイの人気によるものだ。また、平均価格は前年の342ドルから今年は298ドルに下がっている。
デジカメで撮影した写真の印刷に興味を持つ消費者に助けられ売上好調のプリンタでは、販売台数が前年同期比7.1%増、また売上は12.2%増加した。なお平均販売価格は前年度の133ドルから今年は140ドルとわずかに上昇している。
だが、携帯端末(PDA)の売上は今回精彩が無く、販売台数は60.1%減少し、売上も56.8%低下している。これは、携帯電話を内蔵するような多機能型の製品を求める消費者が、PDAから離れてしまっているためだ。
Current Analysisでは音楽プレイヤーとテレビの売上分析をまだ完了していないと、Schattは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」