「(Kazaaは)かつて例を見ないほど大規模の著作権侵害行為を助長している」--現地時間29日にオーストラリアで始まったPtoPソフトウェア・ディストリビュータSharman Networksに対する裁判の冒頭で、音楽業界側の弁護士はこのように語った。
Tony Bannon弁護士は、シドニーの裁判所で行なわれた審理(Murray Wilcox判事が担当)の中で、1カ月間に1億人の人々がKazaaソフトを使って、30億曲もの音楽ファイルを不正に共有していると語った。
Kazaaソフトによって音楽の著作権が侵害されているとして、大手レコード会社のUniversal Music AustraliaやEMI、Sony/BMG、Warner、Festival Mushroomのほか、25の団体や企業が、Sharman Networksとその関係者、関連企業を訴えている。その中には、Brilliant Digital EntertainmentやAltnet、Sharmanの最高経営責任者(CEO)Nikki Hemmingが含まれている。
これに対しSharman Networksは、Kazaaユーザーがファイルをどう扱うかはコントロールしがたく、ユーザーの音楽ファイルアップロードについては一切の責任を負わないと、述べている。
その一方でBannonは、Sharman NetworksはKazaaがどのように利用されているかを把握しているにも関わらず、侵害行為を阻止するための対策を何も講じていないと反論した。
「(Sharman Networksは)ユーザーが著作権侵害行為を行っている最中に表示される広告の表示スペースを販売することで利益を上げている。同社は(Kazaa)ソフトを自分たちの都合の良いように設計している。また、同ソフトのアップデートや機能追加も続いている。アップデートによって著作権侵害は行いづらくなっているわけではなく、むしろ簡単に行えるようになっている。同社は、侵害行為を阻止するための対策を講じることができるはずだ」(Bannon)
またBannonは、先週リリースされたKazaaソフトの最新版「Kazaa v3.0」についても激しく非難した。Sharmanによると、同ソフトを使用するとユーザーはインターネットを通じて世界中のどこにでも無料で電話をかけられるという。このKazaa v3.0には、PtoP技術を使って長距離通話を可能にする音声通話ソフトSkypeが統合されている。
BannonはKazaa v3.0について、「泥棒たちへの報酬」であると述べ、著作権侵害行為を阻止する機能が全くないと非難した。
「Kazaa v3.0には、ユーザーらによる著作権侵害行為を被告らが承認している証拠が面白いほど揃っている。実際被告らは、窃盗行為を続けられるよう、より優れた新製品をユーザーに提供した」とBannonは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」