Gartnerは、上位10社のうちもっとも落伍しそうなメーカーの名前までは挙げていない。だが、同社は代わりに次のような複数のシナリオを示している。潜在的な成長の鈍化に直面した一部のメーカーは、買収もしくは合併の実施に踏み切る可能性があり、たとえばHPとGatewayの組み合わせなどが考えられる。また、創業地重視に転換するメーカーもあるかもしれない。さらにIBMやHPなどは、PCビジネスを切り離し、ほかの事業に重点を移す可能性もある、とGartnerはいう。
これに対して、HPのある幹部は、そのような計画はないとしている。
HPのDeb Nelson(Personal Systems Groupバイスプレジデント)は、「我々のビジネスはこれまでになく好調だ。PCは、我が社の製品やサービスの幅広い品揃えのなかで重要な位置を占めている。PC事業には長期的に取り組んでいく」と語っている。
IBMの幹部らからも同様のコメントが聞かれた。
GartnerアナリストのLeslie Fieringは、「要するに、今後数年でベンダーの勢力図は大きく変化するだろう」と述べている。
PCメーカーには、難局に備え、成長の鈍化と価格競争という困難を乗り切るべくコスト削減などの対策を講じる時間がまだ残されている、と同氏はいう。
一方、Dellは一般管理費が比較的低いため、価格を下げても利益を確保できる。同社は、需要低迷を乗り切るのに最高の位置にいる、とFieringは語った。同社は2000〜2002年をこのように乗り切っている。
これに関して、Dellの広報担当はコメントを控えた。
Gartnerによると、ライバルからのマーケットシェア奪取のほかにも、中国やインドなどの新興市場には出荷台数拡大の最大のチャンスがあるという。これらの市場では、2006年から2008年にかけて、出荷台数が比較的高い伸びを示す、とGartnerでは予測している。このような状況は、地元企業が国際レベルで存在感を増して多国籍企業を食い止めるのに役立つ。多国籍企業は、規模では勝るものの地域レベルの存在感では劣る傾向にある。
2006年から2008年にかけてPC市場の成長が鈍化すると予測するのはGartnerだけではない。IDCは9月に、自社が出した2005年の出荷台数予測を下方修正し、それ以降はさらにゆっくりとした、1桁台の成長率になると警告を発していた。
「2006年から2008年にかけての出荷台数増は、未開拓市場や、先進国の堅調な買換え市場が牽引するが、それでも8%台になりそうだ」(IDC)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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