Inside Digital MediaのアナリストPhil Leighは、「(いずれビジネスモデルが確立することは)火を見るよりも明らかだ。現在、音楽業界は楽曲販売でオンライン音楽サービス企業に依存していないため、これは数年以上先の話になるだろう。だが今後は、サイバースペースにおける知名度の向上が重要になる。レコード会社もやがてそのことに気付き、最大のトラフィックと知名度を誇るオンライン音楽サービス企業と取引したいと考えるようになるだろう」と語った。
ほかのメディアビジネスにおけるペイ・フォー・プレイスメントモデルの適用は早かった。1950年代後半と1960年代前半には、レコード会社各社が自社の曲をかけるようDJに賄賂を渡していたことが明らかになり、ラジオ放送業界は汚職事件で揺れた。著名なDJの1人であったAllan Freedは提訴されるまでに至った。
それにもかかわらず、独立系のレコードプロモーターを仲介にしたペイ・フォー・プレイ(再生単位課金)モデルはその後何年も続いたと業界関係者は述べる。最終的には今年に入り、ニューヨーク州検事総長による調査まで行われたという。大手レコード販売店でも同様のことが起きている。レコード会社は、主力アーティストの作品リリース時にレコード販売店に対し「販促奨励金」を支払ってきた。最高の陳列場所を確保し、目立つ場所にポスターを掲示してもらうためである。
これとは対照的に、今日のオンライン業界ではバーターシステムの考え方が根底にある。
アーティストやレーベルの独占販売権獲得を目指すオンライン音楽業界の幹部は、新曲や新作ビデオの販売権と引き換えに、トップページへの掲載、テーマ別プレイリスト、今週の注目アーティスト、特集コーナーといった企画で商品をできる限り露出することを約束するケースが多いという。
集客力のあるアーティストを掲載することに対してギャラの支払いを求められる場合もあったが、それはまれだった。業界関係者によると、THE BEATLESは、オンラインでの独占販売権を提供する見返りとして数百万ドル支払うよう要求したという。
MusicNetのプログラム編成およびレコード会社向け広報を担当するバイスプレジデントのJohn Jonesは「こうした争奪戦の多くは、他社とサービスを差別化する目的で行われているから、契約金額は大きな問題にならない。それよりも、サービスにどれだけ大きな影響を与えられるかが問題になっている」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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