日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は8月5日、「HP ProLiantファミリ」サーバ製品系列において、インテル エクステンデッド・メモリ64テクノロジ(EM64T)対応Xeonプロセッサを搭載するサーバ「ProLiant ML300シリーズ」および「ProLiant DL300シリーズ」を発表した。いずれも同日より受注し、8月下旬に出荷を開始する。
EM64Tは、32ビットプロセッサで64ビットアドレッシングを可能とするインテルの技術。同技術に対応したXeonプロセッサを使用すると64ビットアプリケーションの実行が可能となるので、32ビット環境から64ビット環境への移行が容易になるとされている。
日本HPのサーバ製品戦略について、日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 統括本部長の松本芳武氏は、1ウェイから128ウェイまでのラインアップでユーザーのスケールアウト・スケールアップのニーズに対応できると強調する。「HPはクラスタやHP Systems Insight Managerで実現する管理技術などで、他社と差別化できる技術分野を持っている。また、限定的なポートフォリオしか持たないサーバベンダでは対応できないスケールアップニーズなどにも対応できる。業界標準技術を中心としてサーバポートフォリオを形成しているため、プロプライエタリな技術を提供するベンダーにはない強みを投資効果の向上において持っている」として、同社製品の優位性を訴えた。同社はProLiantファミリの販売について、今後6カ月で販売台数の9割を64ビット対応製品にすることを目標として、x86サーバ市場で64ビット化を先導して国内シェア1位を目指す。
つづいて説明に立った日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 本部長の上原宏氏は、現時点での64ビット環境への移行のメリットについて「32ビット資産を継続利用できるので、64ビットシステムは既存システムにプラスアルファがある製品だ。将来の投資に向けて早期にスタートできる点を顧客に説明していきたい」と語った。
また、同社が4月に発表しているOpteron搭載サーバとのすみ分けについて、上原氏は「Opteron搭載サーバの発表当初は、プライスパフォーマンスでOpteronに強みがあると考えていた。しかし、販売を開始してみると、引き合いの90%以上がHPC用途だったため、現在は顧客に向けて『HPC用途ではOpteronが最適』とメッセージしはじめている」としたうえで、ファイルサーバからビジネスアプリケーションの稼働にわたるビジネス用途向けにXeon搭載ProLiantを、HPC用途にOpteron搭載ProLiantを、基幹サーバ用途にItanium 2搭載のIntegrityを展開すると説明した。
日本HPが発表した各サーバの概要と税込み希望小売価格は以下の通り。
HP ProLiantの第4世代に位置づけられる新製品では既存32ビットサーバ製品との価格差を縮め、IAサーバ市場で首位をねらう(クリックすると拡大します) |
【タワー型】
【ラックマウント型】
また、同社は、EM64T対応Xeonを搭載するブレードサーバ「HP ProLiant BL20p Generation 3」を9月に提供開始することも発表した。64ビット拡張テクノロジ対応AMD Opteronプロセッサを搭載するラックマウント型サーバHP ProLiant DL145(計2モデル)を8月下旬に出荷開始する。動作周波数2.4GHzのAMD Opteron 200シリーズプロセッサを最大2個搭載可能で、DL145として初めてSCSIに対応した。税込み価格は31万5000円から。
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