フラッシュメモリ市場において、かつてトップから4番手へと後退したIntelは、現在2番手の地位へと巻き返している。
2004年第3四半期のフラッシュメモリ市場においてIntelのシェアが回復したことが、調査会社iSuppliの調べでわかった。これは、同社の価格戦略によるところが大きい。昨年末よりIntelは、役員の入れ替えや新しいプログラムの導入など、2003年中盤よりトップから4位へと転落していったのを挽回するための取り組みを実施していた。
同社が第3四半期に計上したフラッシュメモリの売上は前期比8.9%増の6億3900万ドルだった。これにより、同社の市場シェアは16%となった。Samsungは前期比3.3%増の9億9000万ドルを売り上げ、首位の座をキープしている。同社のシェアは24.8%となった。
激しい価格競争が展開された結果、フラッシュメモリの市場規模は縮小した。第3四半期におけるフラッシュメモリの総売上高は42億ドルで、第2四半期と比べて4%減少している。前四半期と比べて市場規模が小さくなったのは、2003年第1四半期以来、今回が初めてである。第3位の東芝は14.6%の市場シェアを持っており、売上は前期比1%増の5億8200万ドルだった。
Advanced Micro Devices(AMD)と富士通のジョイントベンチャーであるSpansionでは、売上額が減少した。同社の売上は第2四半期より20.1%下落して5億3800万ドルとなっている。Spansionの市場シェアは13.5%に下がった。
先週、Spansionの最高経営責任者(CEO)Bertrand Cambouは、今回の売上減少について過剰在庫が原因だと述べ、さらに大手携帯電話メーカー10社のうちの9社と契約を交わしたと付け加えた。
ルネサス テクノロジやシャープ、STMicroelectronicsも、売上額が減少した。
フラッシュメモリメーカー各社は、より競争が激しくなるとみられる次世代メモリに向けて準備を進めている。現在、IntelとSpansionは、携帯電話やネットワーク機器向けのデータ保持に用いられるNORフラッシュメモリを製造中である。Samsungと東芝は、安価だが読み出し速度がNORフラッシュほど速くないNANDフラッシュメモリを生産中だ。NANDのメモリチップは、フラッシュメモリカードに組み込まれている。
Spansionは、メモリカードスロットに挿入するためのNANDインターフェイスを持つ(NANDと同じくらい低価格な)NORメモリチップの開発計画を発表している。また、SamsungはNORインターフェイスを持つ高速NANDの生産計画を発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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