Microsoftは米国時間10日に、同社の損害賠償補償サービスの対象をほぼ全顧客に拡大すると発表する予定だ。このサービスは、同社製ソフトを使用したことにより、何らかの知的財産権を侵害したとして訴えられた場合の損害賠償額を補償するものだ。
すでに同社は、ボリュームライセンス顧客を無制限に保護するサービスを提供しているが、今後は、コンピュータメーカーから購入した場合や小売店で購入した場合など、ボリュームライセンス契約以外の方法で同社の主要製品を購入した顧客に対する損失補償も行っていく。
「様々な事情を考えても、(ボリュームライセンス顧客以外の顧客を)補償の対象から除外する理由はない」と語るのは、Microsoftの知的財産ライセンシング担当ディレクターDavid Kaeferだ。このサービスでは、特許、著作権、企業秘密、商標の4種類の知的財産権を侵害した場合を対象としている。
この補償サービスは、ほぼ全てのMicrosoft製品が対象となるが、組み込み版Windowsは、顧客がコードを自由に修正できるなどの理由から補償の対象外となっている。
無論、Microsoftを同サービスの拡大に駆り立てているのは同社の利他的精神だけではない。同社は、このサービスをLinuxに対するWindowの利点の宣伝を目的とした、同社の「Get the Facts」キャンペーンの新たな柱に据えようと計画している。
Ballmerは9日に行われた株主総会の席上で、「われわれは、現在顧客に提供している知的財産権侵害関連の損害賠償補償サービスのさらなる充実を図る」と述べ、さらに「われわれの製品サポートサービスはオープンソースには真似できない。なぜなら、オープンソースにはサポートする企業や人が存在しないからだ」と語った。
Kaeferによると、この議論は法的責任について懸念を抱いている一部の顧客の共感を呼んでいるという。「より多くの顧客が、代金を支払わなければ何も手に入れられないことを認識しつつある」(Kaefer)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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