Firefox 1.0リリースの興奮冷めやらぬなか、Mozilla Foundationでは、Internet Explorerのブラウザ市場独占打破に向けて、早くも次の計画を練っている。
Firefoxがバージョン1.0のリリースという大きな節目を通過したいま、Mozilla Foundationは今後の成長を目指して、3つの取り組みを進めようとしている。同グループが狙いを定めているのは、携帯電話などの組み込みブラウザ、デスクトップ検索機能の統合、そしてOEM(original equipment manufacturer)への製品提供の3つだ。
「Firefoxにとって今年は非常に素晴らしい年だ。現時点では、いろいろなことがうまくいっており、上向きの可能性しか思いつかない」と、Mozilla Foundationのエンジニアリング担当ディレクター、Chris Hofmannは述べている。「我々は来年重要になりそうな取り組みについて、ちょうど計画を練り始めたところだ」(Hofmann)
Mozillaの進めるMinimoプロジェクトは、1つめの重要な取り組みだ。携帯電話やセットトップ・ボックスなど、デスクトップPC以外の機器向けにFirefoxの機能限定版を開発しようというこのプロジェクトは、Nokiaによる資金提供で勢いを増している。
Mozillaは9日に、現在AOL Time Warnerで働くDoug Turnerを正式に採用したことを明らかにした。プロジェクトの立ち上げ時からMinimoの開発に参加していたTurnerは、12月1日付けでこの取り組みの責任者となる。同氏はAOLを離れて、技術/ビジネスの両面でMinimoの開発を率いることになるが、これはNokiaのようなスポンサー企業をもっと見つけたいというMozillaの思惑に合わせたものだ。同グループでは、スポンサー企業それぞれのニーズに合わせてカスタマイズしたオープンソースソフトを提供していく考えだ。
「我々は来年、Dougを責任者としてMinimoプロジェクトを活性化させたいと考えている。同プロジェクトにはさらに多くのリソースを注ぎ込むことになるだろう」(Hofman)
Hofmannは、これらのプロジェクトに関するパートナーについてはコメントしなかったが、すでに業界では同グループとGoogleが協力するのではないかとの噂が駆けめぐっている。
Hofmannは、Minimoベースの製品に興味を持つ数社との間ですでに交渉を進めていることは認めたが、ただし具体的な企業名については明らかにしなかった。
Mozillaが狙う2つめの分野は、Firefoxとデスクトップ検索機能の統合だ。
Google、Vivisimo、Copernicなどの各社は、PC上にあるすべての情報を探し出す検索アプリケーションを開発している。これらのアプリケーションでは、ブラウザのブックマーク、キャッシュ、履歴、電子メールのメッセージなどの情報を扱うために、さまざまなAPI (application programming interfaces)を利用している。
Mozillaによると、同グループはデスクトップ検索プログラムのメーカー各社との間で、これらのツールを簡素化・標準化するための話し合いを進めているという。
Hofmannは、この取り組みの鍵となるのはセキュリティだと語った。
さらに、3つめのOEMへのFirefox提供に関しては、Mozillaが複数のOEMと交渉を進めていることをHofmannは明らかにした。この交渉がまとまれば、PCのデスクトップ上にFirefoxが置かれることになる。現時点では、Firefoxにはオンラインからのダウンロードという流通方法しかなく、広範な採用を阻む大きな障害となっている。それに対し、IEはほとんどすべてのPCに予め搭載されている。
Hofmannによれば、OEMとの関係作りは、Mozillaのような非営利団体にとって、特に難しい課題となっているという。通常ソフトウェアメーカーはOEMに金銭を支払って自社の製品をデスクトップに置いてもらっている。Mozillaでは、Firefoxのセキュリティが比較的優れているとの評判や、US-CERTをはじめとするセキュリティ専門家らが一般ネットユーザーに対し、IEのみに依存すべきではないとの勧告を出している点を利用して、OEMにFirefoxを採用させたいと考えているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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