米Advanced Micro Devices(AMD)のフラッシュメモリ部門であるSpansionが2005年に新型チップを発売する。AMDはこの新チップで、より広範な市場への進出を目指す。
同社は8日(米国時間)、2005年に「ORNAND」アーキテクチャに基づいた新型のフラッシュメモリチップを発売すると発表した。現在、携帯電話には主にIntelやAMD製のNORフラッシュメモリが使用されており、またデジタルカメラ用フラッシュカードには通常、Samsungや東芝製のNAND型フラッシュメモリが使用されている。2005年に発売予定の同チップは、携帯電話にも、デジタルカメラ用のフラッシュカードにも搭載することが可能だ。
AMDが今年すでに発表している計画は、同社のMirrorBitフラッシュ技術に依拠している。NOR型フラッシュメモリはNAND型に比べ信頼性は高いが、逆にデータ保存容量ははるかに小さい。そのため、機器メーカーは、破損が許されないアプリケーションやその他の重要データの保存用にNOR型を使用し、写真や音楽の保存用により安価なNAND型を使用している。
MirrorBitチップは、Intel製StrataFlashチップと同様、1セル当たり2ビットの情報を保存可能だ。AMDはこの1セル当たりの保存容量を4ビットまで拡大する意向だが、IntelはStrataFlashのさらなる容量拡大を図る可能性は低いという。
つまりMirrorBitチップは、プログラムの保存用として使用できるだけの信頼性と、低価格かつ高密度というNAND型チップの特徴を兼ね備えたチップということになる。
しかし、このような構想を抱いているのはAMDだけではない。IntelもNAND型チップ市場への参入を目指しており、東芝やSamsungもコード保存用NAND型チップを推進している。
AMDは2005年前半に1GビットMirrorBitチップの少量生産またはサンプリングを開始する予定だ。チップは、サンプリングのおよそ1年後に発売されるのが通例である。同社は2007年までに8ギガビットチップをリリースしたい考えだ。現在発売されているNORフラッシュメモリの最大容量はおよそ512Mビットだが、NAND型チップはすでにギガビット単位の容量を備えている。
AMDは2003年のフラッシュメモリの売上でIntelを上回った。その要因としては、富士通とのフラッシュメモリ部門の合併や複数のセルメーカーとの新規契約の締結などが挙げられる。しかし、Intelは直近の四半期で首位を奪還したと主張している。2004年第3四半期は、予想を下回るフラッシュメモリの売上がAMDの利益を押し下げる結果となった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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