Microsoftは米国時間26日、企業のウェブアプリケーション構築を容易にする新しいツールのプレビュー版を公開した。
Microsoftは、これまで「Whitehorse」という開発コード名で呼ばれてきたモデリングツールのCommunity Technology Previewバージョンをリリースした。このツールは、エンタプライズシステム開発者用ツールパッケージの次期製品「Visual Studio 2005 Team System」に含まれる予定だ。
モデリングツールは、詳細なグラフィックスを使い、開発者がウェブアプリケーションを視覚的に確認しながら開発できるようにするものだと、MicrosoftリードプロダクトマネージャーのPrashant Sridharanは述べた。開発者が個々のプログラムの関連性を簡単に把握できれば、作業の生産性が高まり、質の良いソフトウェアが出来上がるというのが、同社の考え方だ。
ソフトウェア開発において、モデリングというのは目新しい概念ではない。しかし、高度なツールや強力なコンピュータの登場により、ここ数年の間にモデリングがますます必要とされるようになってきた。企業顧客が管理しなければならないコンピューティングシステムがどんどん複雑化していることから、モデリングや設計への関心は高まりを見せている。
IBMやBorland SoftwareをはじめとするMicrosoftのライバル企業も、モデリングツールの開発に投資している。Borlandは「Together Architect」というモデリングツールを25日に発表した。同社の製品マーケティング担当バイスプレジデントErik Friebergは、モデリングがソフトウェア開発プロセスに果たす役割は、ERP(基幹業務システム)が事業予測の分野に果たした役割に匹敵すると見ている。
簡単にクラッシュしないとか、頻繁なメンテナンスを必要としないといった事柄は、企業の最重要アプリケーションには欠かせない条件だ。市場調査会社Gartnerの推計によると、基幹系システムのソフトウェアが障害でダウンした場合にかかる平均的なコストは1時間あたり10万ドルだという。またGartnerによると、アプリケーションが異常終了した場合の40%は、ソフトウェア側に原因があるという。
サービスオリエンテッド・アーキテクチャ(Service-Oriented Architecture:SOA)に対して顧客が対応できるようにすることは、開発ツールメーカーにとって差し迫った関心事のひとつだが、SOAは結果的に、より柔軟で費用対効果の高いソフトウェア構築の実現につながると、アナリストやベンダ各社は述べている。例えば、Eコマースサイトでビジネスパートナー間の複雑なトランザクション処理を実行する場合、本来なら手書きのコードを用意する必要があるが、SOAの下では、複数のWebサービスを連携させれば済むようになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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