IBMでWebサービスといえば、Bob Sutorだ。
Sutorは15年間IBM Reserchに籍を置いた後、1999年にIBMのソフトウェアグループに参加した。今日、SutorはIBMでWebSphereインフラソフトウェアのディレクターを務めており、Webサービスに必要な製品を相互に連携させることを基本的な仕事としている。
IBMでは古株のSutorは、企業間や企業内にWebサービスを組み込むためのフレームワークとなるサービス志向アーキテクチャ(SOA)の支持者でもある。
Sutorは最近、IBMも強く支援しているJava技術をオープンソースにするよう、Sun Microsystemsに働きかけた。IBMはSunに対し、オープンソースのJavaは特にLinuxと組み合わせると、Microsoftとさらに競争できると提案したのだ。
SunはJavaのオープンソース化という考えに肯定的な姿勢を示していない。ただ、Webサービスに関するいくつかの標準化団体に参加する1メンバーとして、Sutorはこのイニシアティブを後押しするのに重要な役割を果たすことになりそうだ。CNET News.comは先日、Sutorにインタビューを行った。
----このところ、「サービスとしてのソフトウェア」というテーマが話題になっています。数年前にこの言葉が持ち上がった時は、既存システムをすべて一掃し、まったく新しいインフラを組み立てるという意味合いでしたが、今回は異なるようですね。
企業のソフトウェアを考えた時、すべてを一掃するというアイデアは刺激的に聞こえました。1999年のことです。でも、当時は誰もが冷静さを失っていました。現在、企業は、「われわれが持っているすべての設備と情報を適切な人に提供したい。だが、重要なビジネスプロセスは継続させなければならないし、ビジネスプロセスに支障を与えるわけにはいかない。既存システムを拡張させるにはどうしたらよいのか教えてほしい」と言っています。
----IBMは、この「サービスとしてのソフトウェア」の世界において、とても有利なポジションにあるようです。
サービスをアウトソースする場合、基本的にすべきことが2つあります。どうやってサービスに接続するか、つまりインターフェースを理解し、何かを行いたいときにどうやって実行命令を出せばよいのかを理解しなければなりません。もう1つは、そのサービスの品質を理解することです。
例を挙げましょう。「先月、10万ドル以上の製品を購入した顧客のリストが欲しい」と要求する、これは結構です。でも、いつまでにその情報が欲しいのか、その情報を入手できるのは誰かを決める必要があります。適度な信頼性と正確なパフォーマンス、適切なセキュリティのもとに情報を得ることは、非常に重要です。
---- Webサービスの現状はベンダー主導型ですか。つまり、いまでもIBMのようなベンダーが顧客に向かって「これがソリューションだ」といい、顧客がそれを受け入れるという形ですか。それとも、Webサービスが登場して4年が経過した現在、顧客は概念を理解しており、「これがわれわれの望むソリューションだ」とベンダーに突き返すようになったのでしょうか。
最も大きな図となるSOAを見てみましょう。SOAは信頼性やセキュリティ、管理性という面で特徴を持つ分散コンピューティングで、企業の枠を超えて存在します。
世界は大きく変わりました。そして、自分たちが動かしているものすべてを管理することは、もはや不可能になっています。結果として、Webサービスが現時点でどの点から見ても最善の方法となりました。Javaのような技術も含んでいるからです。企業の採用という点で、Webサービスはメインストリームのごく初期にあります。Gartnerでは、いまWebサービスを何らかの形で実装している企業は50%をわずかに上回る程度と見ています。
私もこれに同意したいところですが、顧客にSOAの話をすると、ほぼすべての顧客が「やっている」といいます。顧客は、SOAの考え方は社外と接続する上で最善の設計だと理解しているのです。この動きを加速させている要因としては、企業の吸収・合併や、複数の離れた場所にデータセンターを持っていることが挙げられます。
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