Cisco Systemsが、IPテレフォニー製品のセキュリティ機能を強化した。
同社は米国時間25日、電話番号とIPアドレスのマッピングを行い、通話状況を監視する製品「CallManager」に新しいセキュリティ機能を追加したと発表した。具体的には、CallManager 4.1に、IP電話「7940G」と「7960G」向けの暗号化機能が追加されたというもの。またCiscoでは、ユーザーが既存の電話システムと同社のIPテレフォニー製品を接続するためのプロトコルサポートの強化も行っている。
セキュリティは、いかなるIPアプリケーションにおいても重大な問題である。他のパケットベースのアプリケーションのように、音声ネットワークもDoS(サービス拒否)攻撃を受ける可能性がある。DoS攻撃とは、ネットワークの交通整理を行うスイッチやルータがダウンするまで、攻撃者が大量のパケットをネットワークに送りつける行為をさす。また攻撃者は、VoIPネットワークに侵入して、会話を盗聴したり、ボイスメールのやりとりを妨害したりすることも可能だ。
こうしたセキュリティ上の懸念から、一部の企業は、既存の電話ネットワークをIPベースのものへと置き換えることに二の足を踏んでいる。新機能の追加により、企業が持つセキュリティ上の懸念が払拭されるとCiscoは期待している。電話から発信される音声トラフィックを暗号化することで、会話の秘匿性が保たれ、誰も音声パケットを改ざんできなくなったとCiscoは考える。これまで、CiscoはハイエンドのIPテレフォニー製品でのみ暗号化機能をサポートしていた。
さらにCiscoは、ボイスメールのセキュリティを向上させるため、ユニファイドメッセージング製品「Cisco Unity」の機能拡張も行っている。同社ではまた、異なるベンダから提供されるPBX(Private Branch eXchange)同士の相互運用を実現する規格であるQ.SIGのサポートも強化した。これにより、Ciscoユーザーは新しいIP電話ネットワークと既存の電話システム間でのより安全な接続が実現できるようになる。
今回発表された最新ソフトウェアは、現在すでに入手可能になっている。Cisco Media Convergence Server付きのCisco CallManager 4.1のスタート価格は5995ドルからとなっている。CallManager 4.0のユーザーは、無料で新バージョンへのアップグレードが可能である。Cisco Unity 4.04におけるボイスメール向けのセキュリティ機能についても、追加コストなしで、既存製品から無料でアップグレード可能だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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