Cisco Systemsが米国時間13日、株式非公開企業のDynamicsoftを現金5500万ドルで買収すると発表した。
ニュージャージー州に本社を置くDynamicsoftは、SIP(Session Initiation Protocol)規格に基づくソフトウェア開発ツールを提供する企業だ。通信事業者は、同社のツールを使って、インターネット上で提供されるインタラクティブなマルチメディアサービスを開発することができる。SIPとは、IPネットワークを使った双方向通信を実現するための標準プロトコルのことで、オンライン会議や電話、イベント通知、インスタントメッセージなどでの利用が考えられる。
Dynamicsoftの技術を獲得することにより、Ciscoでは、VoIPやほかのマルチメディアサービスまでサービスを拡大したいと考えるブロードバンドサービスプロバイダから契約を獲得しやすくなると考えている。同社はこの分野で、Nortel NetworksやLucent Technologies、Alcatel、Siemensをはじめとする有力企業との厳しい競争に直面している。これらの大手企業は、世界中の電話会社に従来の音声機器だけでなく、ソフトスイッチやVoIP技術も提供している。
Dynamicsoftは1998年に設立されて以来、CapitalやSun Microsystems、Piper Jaffray & Companyをはじめとする企業から資金提供を受けてきたが、Ciscoからの投資は受けていない。Dynamicsoftは、Ciscoのエコシステムパートナーであった。
Dynamicsoftは、SIPや音声通信市場におけるパイオニア的存在であった。同社の最高技術責任者(CTO)Jonathan Rosenbergは、SIP規格の共同考案者であり、IETF(Internet Engineering Task Force)内でもIPテレフォニーやSIP関連の取組みを数多く率いてきた。
Dynamicsoftが販売する主力開発ツールは3つある:「Dynamicsoft Presence Engine」、「AppEngine」、「Service Engine」だ。有線および無線の通信事業者はこれらの製品を用いて、新たな収入源となるアプリケーションを短期間で開発している。Dynamicsoftの技術は、音声サービスの売上が減少しているワイヤレス通信事業者にとって特に有用である。Ciscoによると、EricssonやSiemens、Nortel、Alcatelも似たようなツールを提供しているという。
Dynamicsoftは現在、SprintやBT、Vonage、Level3、Deutsche Telekomをはじめ100社以上の顧客を抱えている。Sprintは同社の技術を利用して、携帯電話をトランシーバーのように利用できるようにする「Push-To-Talk」携帯電話サービスを開発した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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