イーサネット上での超長距離大容量データの転送に関して研究者らが新たな可能性を切り開こうとしている。
カナダ、日本、オランダ、スイス、米国のエンジニアが参加するある国際グループが先週初め、世界最長のネイティブ10Gビットイーサネットが完成したと発表した。
同グループはIEEEの標準規格に準拠した10Gビットイーサネットを利用し、東京のData Reservoirプロジェクトから、ジュネーブにある高エネルギー粒子物理学の研究施設CERNにデータを送信した。データ伝送距離は1万1495マイル(約1万8500キロ)で、17の異なる時間帯をまたがる。
この10Gビットイーサネットでは、Cisco Systems、Foundry Networks、Nortel Networksのイーサネット用製品を利用して、東京とジュネーブにあるコンピュータを、同じLAN上にあるコンピュータ同士のように接続した。
30年前に開発されたイーサネットは、企業ネットワーク上のコンピュータ同士を接続するのに広く使われてきた技術だ。通信キャリア各社は、数年前からこの技術を利用し、同一都市内のオフィス同士を接続できるようにしてきた。そしてこの技術は、今では大陸を横断できるレベルにまで向上している。
イーサネットの魅力は、使いやすさ、大容量、低価格の3つに集約される。別々の場所に分散した異なるネットワークを1つのネットワークの一部であるかのように接続できるため、ほかの技術より簡単に利用できる。また、容量も1Gbps(ギガビット/秒)から10Gbpsまで徐々に引き上げることができ、帯域幅を効率的に活用できる。
もう1つ、従来の通信機器を使うよりイーサネット機器を使った方が大体の場合において経済的だ。しかし、企業の社内ネットワークや通信会社のメトロネットワークで節約した分のコストで長距離イーサネットの導入コストを相殺できるかどうかはまだ分からない。
にもかかわらず、エンジニアや研究者らは次々にイーサネット支持に回っている。
全米の大学を結ぶ光ファイバーバックボーン構築を独自に進めているNational LambdaRailプロジェクトの参加者も、自分たちのインフラ上にネイティブイーサネットネットワークを構築し始めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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