ソフトウェアのサブスクリプション販売、ベンダとユーザーの意識に温度差

Martin LaMonica(CNET News.com)2004年10月20日 16時11分

 ソフトウェア業界では、サブスクリプション形式へと料金体系の移行が急速に進みつつあるが、ユーザー企業側はこの形式の採用にさほど熱心ではないことが、最近の調査で分かった。

 ソフトウェアベンダ400社近くとソフトウェア購入責任者であるユーザー企業幹部100名近くを対象として行われた同調査から、ソフトウェアベンダの半数以上が2006年にはソフトウェアをサブスクリプション形式で販売する計画であることが明らかになった。現在、実際にサブスクリプション形式でソフトウェアを販売している企業は全体の3分の1だけだ。

 しかし、ユーザー企業側はこの変化をまだ受け入れていないようだ。ソフトウェア購入者の64%は、サブスクリプション形式よりもライセンス購入形式のほうが好ましいと考えていることが、同調査で分かった。

 18日(米国時間)に発表された同調査は、ソフトウェアライセンスを電子的に追跡するソフトウェアを販売するMacrovisionとSoftware & Information Industry Association、Centralized Electronic Licensing User Groupの後援で実施された。調査結果は、カリフォルニア州サンタクララで開催されたソフトウェア購入に関する業界カンファレンス「SoftSummit」で発表された。

 サブスクリプション形式の料金体系について、売り手・買い手の間に温度差があるのは認識の問題かもしれないと、同調査の作成者は語る。ソフトウェアの約67%は、ライセンスを一括購入した上でメンテナンス費用を継続して支払う形式で購入されている。

 「今回の調査結果は、両者ともこの変化を部分的に受け入れているものの、まだ賛否を決めかねている企業もいることを物語っている」とMacrovisionソフトウェアテクノロジーグループのエグゼクティブバイスプレジデントDan Stickelは声明の中で述べた。

 多くの場合、ソフトウェアベンダはサブスクリプション形式を好む。ソフトウェアライセンスを高い金額で一括販売するよりも、安定的かつ定期的な売上を計上できるためである。

 例えばSun Microsystemsは、自社製品の料金体系のサブスクリプション形式への移行を積極的に推し進めているが、これもサブスクリプション販売の方が安定した売上が見込めるからだ。同社の売上の約3分の1は月額または年額のソフトウェアライセンス料によってもたらされていると、Sunの最高経営責任者Scott McNealyは18日にフロリダ州で開催されたGartner会議の記者会合で語った。

 ソフトウェアベンダは別の料金体系も模索している。例えば、ソフトウェアの利用状況や実行されたトランザクション数をもとに課金するユーティリティ形式などが検討されている。しかし今回の調査からは、ユーザー企業の70%が従来の方式、つまり同時利用者数やマシン台数をもとにライセンス料金を計算する形態を好んでいることが分かっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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