「広告費10億円、05年度売上高60億円」--検索市場に切り込むGMOの狙いとは - (page 2)

インタビュー:山岸広太郎(CNET Japan編集部)
構成/文:永井美智子(CNET Japan編集部)
2004年10月29日 18時28分
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--9199.jpの収益源は何ですか。

 アドレスバーに入力した単語からサイトを一発表示させるJWordのキーワード登録と、9199電話帳への追加情報の2つを販売していきます。9199電話帳に載せる店舗の営業時間や定休日の情報、クーポン、ホームページへのリンクなどは有料です。2005年度に売上60億円、利益12億円を目指します。すでに月間1億円ほどの売上がありますから、十分達成可能だと思っています。

 僕は、キーワードというのは第4のドメインだと考えています。第1のドメインはIPアドレス、第2がアルファベットドメイン、第3が日本語ドメインです。日本語ドメインは表記上わかりやすいのですが、文字入力を切り替える必要があるので慣れていない人にはわかりにくいんです。キーワード検索というのはインターネットの進化の証だと思います。普段使っている日本語を入力するだけで一発表示されるわけですから。

--キーワードはどのように販売していくのですか。

 1年契約の更新制です。申し込みは先着順ですね。現在の販売体制は30〜40人規模ですが、年末までに10倍に拡大する予定です。

--グーグルやオーバーチュアのように、キーワード広告を手がける予定はありませんか。

 我々はポータルサイトの中の商売を邪魔するつもりはありませんから、キーワード広告には参入しません。検索結果にも一切手を加えていません。簡単にネットサーフィンができて、自分だけの力ではたどり着けないところまで見られるわけですから、ポータルサイトから見れば9199.jpによって1人あたりのページビューが増えるというメリットがあると思います。

--GMOはJWordを運営しているアクセスポートなど、今年だけで10社ほどの買収や資本提携を進めていますね。2004年度中間期(2004年1月〜6月)の連結売上高98億円のうち、GMO単体が37億円ですから、残りは関連会社からの売上ということになる。これはM&Aを進めて伸ばしてきたところが大きいと思うのですが、インターネット企業を急速に成長させていくためにはM&Aが重要ということなのでしょうか。

 そうですね。ただし、資本提携をすればいいというものではなくて、企業としてのストーリーが必要です。

 そもそも論として、企業がなぜ上場するのかといえば資金を調達するためです。ではなぜ資金が必要かといえば、投資するためです。重厚長大型のものづくり産業の場合、工場や人に投資してものを作ってきたわけです。

 インターネット企業は工場を持ちません。何が一番重要かといえば、テクノロジーと人材です。僕らにとってはテクノロジーが工場に当たる。逆にいえば、他に投資するものはそんなにないんです。だからこそ、資本提携によってテクノロジーや人材、ブランドを得ることがとても重要なわけです。

 ただし何でも買えばいいのかといえば、そうではない。GMOのやるべき領域で、会社が持つストーリー上のものに限っています。もちろん自社でサービスを開発してもいいのですが、時間を買うという意味も含めて資本提携などを行っています。

--同じくM&Aを進めている楽天の場合、新規参入のために企業を買収することが多いですが、GMOの場合、同じ事業領域の企業を買収することが多いように感じます。

 やはり、マーケットシェアで1番にならないと良いものを提供できませんから。お客さんの支持を受けて期待が高まるからこそサポートも良くなるし、取扱量が多くなれば価格も安くなって良い商品を出すことができます。だから、どんな商売でもマーケットシェアで1番になることが非常に重要です。そのためには資本提携もします。

--3月にはpaperboy&co.を子会社化して個人向けのホスティングやBlogサービスに参入しました。今後は買収によって個人向けサービスも強化していく予定ですか。

 僕は正直、個人向けサービスへの参入は1〜2年後だと思っていました。ただpaperboyが大成功しましたので、今はpaperboyに任せようと思っています。

 Blog事業がサーバビジネスになるのか、メディアビジネスになるのかはまだよくわかりません。まだコストばかりかかっていますが、今までウェブを作っていた人がBlogに流れています。検索エンジンやXMLの効果もあって、コンテンツのトラフィックがBlogに来ている。

 マクロで見ると、インターネットの登場から10年経過して、ユーザーが情報を取るだけではなく、情報を発信する方に回っています。その良い事例がBlogであったり、アバターやチャットなどのコミュニケーションツールであったりするわけです。そういう意味では、トラフィックの流れが変わってきているので、今後どうなるかはわからないけれどもGMOグループとしては押さえておかないといけないと思ったんです。

 Yaplog!に関しては、JUGEMがあれば本当はやらなかった。けれども当時はpaperboyと交渉している最中で行方がわかりませんでしたし、(オンラインサービスは)2、3カ月の遅れが命取りになるからやってしまえと。Yaplog!とJUGEMは雰囲気を変えていますので、きれいにユーザーの住み分けが図れています。JUGEMのほうがどちらかというと先端ユーザーが多く、Yaplogは女性が多いですね。

--グループの中でBlogはどういった位置づけですか。

 アフィリエイトで利用できるだけでなく、リコメンドエンジンやトラフィックドライバとしての可能性があるので、ビジネスになっていく感覚は得ています。

 いつの時代もポータルサイトのトラフィックドライバはコミュニケーションツールやコミュニティです。かつては掲示板やオークション、そして今はBlogですね。GMOはサーバ事業やドメイン事業をやっていますから、そういう観点からもBlogはどうしてもやらないといけない。自社の事業領域にBlogが入ってきている以上、GMOとしてはBlogでもナンバーワンを目指さざるを得ません。

 Blogユーザーにとっては、Yahooなどのサイトよりも自分のBlogがポータルになっています。便利なリンクが張ってあるし、どこにいても見られるし、PC環境にとらわれない。ホスティングやドメインと組み合わせると、より個人ポータルに近くなると思っています。

--ご自身でもBlog(クマガイコム)を始められていますね。訪問者数は月間19万人、ページビューは同177万件ということですが、感想はいかがですか。

 Blogのすごさを身をもって経験し、Blogの何たるかというのもよくわかりました。クマガイコムは勉強になりましたね。株価が下がると、100件以上の誹謗中傷の書き込みが届くんですよ。精神鍛錬になりました(笑)。文句は期待の裏返しですから、いただいた意見には真摯に目を通しています。

--ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)についてはどう見ていますか。

 社内でも賛否両論ありますし、業界内でもさまざまな可能性が議論されています。僕自身は結論を保留して、これから何が起きるのかと静観している状態です。どういうビジネスに転換されるかはまだわからない。Blogはネットワークがオープンでインターネット的ですから、トラフィックは伸びやすい。Blogのほうがビジネスになる姿がわかりやすいと思っています。

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