ドメイン名登録サービスを提供するグローバルメディアオンライン(GMO)は23日、アクセスポートと共同で日本語JPドメイン名を使いやすくするブラウザプラグインを共同開発したと発表した。アクセスポートが提供するJWordの最新版に同プラグイン機能を組み込み、2月1日より提供開始する。
日本語JPドメイン名を使うためのプラグインとしては、ベリサインの提供するi-Navなどが知られているが、まだ一般に普及しているとは言い難い。日本語JPドメイン名の登録数も、ピーク時の約6万から現在では4万5000程度となっている。GMO代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏は、「現在プラグインがインストールされているPCは10万台にも満たず、ICANNも多言語ドメイン名のサポートに対してあまり積極的に取り組んでいないのが現状だ。これは自分たちで何とかすべきだと考え、現在すでに1300万台以上のPCにインストールされているアクセスポートのJWordで日本語ドメイン名をサポートしようということになった」と語る。「JWordを最新版にアップデートすることで日本語ドメイン名がすぐに使用可能となる。これにより日本語ドメイン名の利用環境が一気に整備される」(熊谷氏)
GMO代表取締役会長兼社長、熊谷正寿氏 | |
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これまでのJWordの機能は、ブラウザのアドレスバーに日本語キーワードやインターネットナンバーと呼ばれる番号を入力し、サイトにアクセスできるようにすることが主であった。JWordは、ソースネクストが提供するソフトウェアをインストールすると自動的にインストールされることや、NECのPCにバンドルされていることなどから、同プラグインが組み込まれているPCの数は2004年1月20日現在で1320万台、月間ユーザー数は269万人(2004年1月16日現在、ネットレイティングス調べ)となっている。
このプラグインソフトを日本語JPドメイン名対応にすべく、GMOとアクセスポートが共同で改良を加えた。すでにJWordを利用しているユーザーは、2月1日午前0時以降日本語JPドメイン名にアクセスすると、自動的にJWordの最新版にアップデートされ、日本語ドメイン名へのアクセスが可能となる。機能的にはベリサインのi-Navと同じだ。
GMOでは、共同開発のみならずJWordの配布についても協力する考えで、熊谷氏は年内に2500万台のPCにJWordを配布したいとしている。またJPドメイン名のみならず、COMドメイン、NETドメイン、ORGドメインにも順次対応する予定だという。
なお、JPRSは19日に、日本語JPドメイン名未対応のブラウザで日本語JPドメインサイトにアクセスした場合、i-Navのダウンロードを促すなど対処方法を記したページを表示するという「日本語JPナビ(仮称)」の検討を開始した。日本語JPナビの対処方法リストの中にJWordが入るかどうかについて熊谷氏は、「JPRSは中立的な立場にあるため特定ベンダーの提供するプラグインを推奨することは難しいとしており、現段階ではJWordが日本語JPナビで推奨リストに入ることはないだろう」としている。
JPRSの発表に合わせた格好で、新たな日本語ドメイン名利用環境の改善対策を発表したGMO。熊谷氏は「老若男女すべての人がインターネットを使いやすいものだと感じるために、日本語ドメイン名の果たす役割は大きい」としているが、JWordはどこまで日本語ドメイン名の普及に貢献できるだろうか。
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