EMC、ILM実現に向けた製品群で「3カ所でもレプリケーション可能」

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年10月15日 17時34分
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 各ストレージベンダーが積極的に打ち出している情報ライフサイクルマネジメント(ILM)戦略。10月14日に発表されたEMCジャパンの新製品群は、ILMの実現に一歩近づくものとなりそうだ。「ILMで求められるのは、コスト削減はもちろん、情報の保護とリカバリ性能、管理性の向上などだ。これらを実際に実現できる製品をEMCでは提供する」と、同社エンタープライズ事業部 マーケティング部 部長の宮治彦氏は述べる。

 ILMの導入は段階的に行うものだと宮氏は述べ、そのステップについて説明する。まずステップ1は、階層型ストレージインフラを確立し、最適な階層に情報を配置できるよう、ストレージ管理を自動化する。ステップ2では、アプリケーションごとに、ポリシーに応じて最適なストレージに情報を移動する。ステップ3は、すべてのアプリケーションを対象とした包括的なILMで、企業単位での情報管理ポリシーを定義し、全体の情報管理を行う。

EMCジャパン エンタープライズ事業部 マーケティング部 部長 宮治彦氏

 同社が同日発表したのは、レプリケーションやデータ移動を可能とするソフトウェア群、NAS(ネットワーク接続型ストレージ)製品、そして同NAS製品に対応し、ポリシーベースでファイルの移動を可能にする新たなソリューション。ステップ1から3の中で、おもに1と3を強化するものとなる。

 EMC Open Replicator for Symmetrixは、プラットフォームに依存しないレプリケーションが可能となるソフトウェアで、ステップ1を強化する製品。EMCのストレージはもちろん、IBM製、Hewlett-Packard製、日立製作所製のストレージシステム間で、リモートデータボリュームのコピー、再配置、差分アップデートを実行できるという。

 同様にステップ1にあてはまる製品としてEMCは、遠隔地でのデータ複製が可能な同社のSRDFファミリーに新たなラインナップを追加している。そのひとつがEMC SRDF/Starで、3カ所のデータセンター間で距離の制限なしにデータの複製ができるというもの。3カ所のデータセンターのうち1カ所で障害が発生した場合も、残りの2カ所でデータレプリケーションの自動継続が可能で、障害の際のデータ損失を最小限に抑えられるという。Open ReplicatorとSRDF/Starは、2005年第1四半期に提供開始される予定だ。

 ステップ3に向けた製品としてEMCは、統合型NAS向けのILM機能を提供するソリューション「EMC Celerra FileMover」を発表した。FileMoverは、ユーザー定義のポリシーに基づき、ストレージの異なる階層間でファイルを移動させるソリューション。ファイルの移動は、ファイルにアクセスするクライアントやアプリケーションに影響を与えることはない。また、データバックアップ時にプライマリストレージへのファイルの戻りがないという。

 FileMoverはEMCのNAS製品に対応するものだが、同社ではNASシステムのラインアップも強化、低価格のNASプラットフォームCelerra NS500を同日発表している。Celerra NS500はiSCSI対応で、価格は1174万円から。同社がこれまで参入しきれていなかったミッドレンジ市場をねらうものだ。

 宮氏は、今後ステップ2に向けた製品として、米国で発表されたEmailXtenderやDatabaseXtenderなど、アプリケーション対応ILM製品の日本投入時期を検討しているという。これらをはじめとするさらなる製品強化で、ILMの実現を着実にめざす考えを示した。

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