BEA、「Quicksilver」と「Diamond」で巻き返しへ

Martin LaMonica(CNET News.com)2004年10月07日 16時35分

 BEA Systemsは、主力サーバソフトウェアのアップグレードと、新しい統合ツールの投入で、新規顧客獲得を狙う計画を進めている。

 BEAは、「Quicksilver」(開発コード名)という製品のテスト版を、来年の1月末までにリリースする見通しだ。このソフトウェアは、標準ベースの統合ソフトウェアとWebサービス管理ツールを組み合わせたものになる。また、QuicksilverはJavaサーバソフト「WebLogic Platform」の新バージョン(開発コード名「Diamond」)にも組み込まれることになっている。Diamondも来年1月末までにテストを始め、2005年中にこれを完了する予定だ。

 BEAのインフラソフト(ミドルウェア)と開発ツールは、Javaで書かれたビジネスアプリケーションの構築および動作に利用されている。

 BEAではQuicksilverとDiamondに社運を託しており、この2つの新製品を業績の回復につなげたい考えだ(Quicksilver は「WebLogic Platform 9.0」となる可能性が高い)。BEAは過去3年にわたる景気の後退期を通じ、ほとんどの四半期に目標値を上回る業績を残してきた。しかし、ここにきて業績が悪化し、過去2四半期連続でライセンス収入が減少したほか、何人もの上級幹部が同社を去っている。1年前には14ドルを付けていた同社の株価は、7.5ドルまで下落した。

 業界アナリストらは、昨年10億ドルの売上を残したBEAが、Oracleなどの大手ベンダーによる買収の対象になる可能性があると推測している。これに対しBEAは、独立性を保ち、有機的に成長することを好むと主張している。

 同社の製品戦略・管理担当バイスプレジデント、Vittorio Viarengoは4日、発表予定のQuicksilverとDiamondの機能に関するロードマップを明らかにした。Viarengoはこのなかで、Adam BosworthやScott Dietzenなど著名な技術者が退社しても、BEAの主力製品である開発ツールの担当チームには大きな影響は出ていないと述べた。

 Viarengoによると、Diamondは実装後のアプリケーション管理の簡素化と、WebLogicアプリケーションサーバの信頼性向上を最優先に設計されているという。BEAの最大のライバルであるIBMも、今年中に投入する最新の「WebSphere 6 Application Server」で、信頼性向上と管理機能の強化を優先課題に掲げている。

 BEAは、SOA(Service-Oriented Architecture)実現のための重要な構成要素として、WebLogic Platformを売り込んでいる。SOAとは、企業が1つのプログラムをさまざまなシナリオのなかで使えるようにするアプリケーションの設計/運用手法のことで、たとえばある企業が購買の注文状況をチェックするアプリケーションを開発する場合に、製造システムや顧客サービス用のアプリケーションなど、ほかの数多くのプログラムでも、この購買発注用プログラムのデータを利用できるようにすることで、開発時間を短縮することが可能になる。

 業界アナリストは、今後数年間で企業顧客のSOAの移行が進むと予想している。これを受け、SOA用のインフラソフトを提供する可能性のある各ベンダ間の競争が加熱しているが、これにはIBMやMicrosoft、Oracle、SAPといった大手のほか、小規模な専門メーカーも加わっている。JBossをはじめとするオープンソース陣営のアプリケーションサーバ開発元でも、BEAのビジネスに狙いを定めているというアナリストもいる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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