BEA Systemsの最高経営責任者(CEO)Alfred Chuangは25日(米国時間)、 柔軟性が高く順応性のあるコンピューティングシステムを提供するというビジョンを提示し、その概要を明らかにした。
Chuangは、サンフランシスコで開催中のBEAの「eWorld」カスタマーカンファレンスで講演し、「Liquid Computing」構想についての説明を行った。Liquid Computingは、同社が現在進めている製品開発の設計指針となっている。
Liquid Computingに関する計画は、これまで「Project Sierra」というコード名で呼ばれていたもの。BEAはこの計画で、同社のソフトウェアと他社のシステムとの互換性を改善する技術に投資していくという。またBEAは、Javaアプリケーションの開発・変更が素早く行えるツールも開発しているとChuangは語った。
Chuangによると、今日のビジネスアプリケーションは柔軟性に欠け、変更が非常に困難だという。通常アプリケーションのメンテナンスコストの合計は、それを購入したり、あるいは新たに開発する場合の初期コストを上回っている。
「(ITの)最大のコストは、こうしたアプリケーションの管理、維持、拡張にかかり続けるコストだ」(Chuang)
サービス指向アーキテクチャ(SOA)で、コンピューティング設計のモジュール化とWebサービスを採用すれば、コンピューティングシステムをより柔軟にすることが可能だ、とChuangは言う。BEAはまた、同社アプリケーションを動かすための管理ツールの改善にも取り組んでいる。
BEAの新製品「Quicksilver」は、BEAのWebLogicアプリケーションと、(Microsoftの.Netアプリケーションなどの)他のシステムや(IBMのWebSphereなどの)他社製Javaサーバソフトウェア製品、さらにTibcoなどの他社の統合ソフトウェアとの互換性を改善する、とChuangは述べた。
Quicksilverは、Webサービスプロトコルに基づいて異種システム間のデータ転送を行なう統合ソフトウェアで、BEAの次期バージョンのソフトウェア「WebLogic 9」に含まれる新管理コンソールの一部にもなる予定。なお、WebLogic 9は来年後半に発売が予定されている。
Quicksilverを導入したシステム管理者は、コードを書かずに稼動中のアプリケーションに変更を加えられるほか、システムの稼動状態を視覚的に確認できるようになる、と同社幹部は説明している。
BEAは25日、この他に「WebLogic Process Edition」も発表した。同社によると、この製品はWebLogicサーバソフトウェアを拡張したもので、Javaで記述されたビジネスアプリケーションの稼動に使用されるものだという。Process Editionにはいわゆるビジネスプロセス管理用の開発ツールが含まれており、複数の異なるシステム向けに、いくつものステップからなるビジネスプロセスを自動化するJavaアプリケーションが構築できると、BEAでは説明している。
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