ロサンゼルス発--カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)は、ネット上での映画や音楽の著作権侵害を防止する技術を利用しているが、しかしキャンパスを嗅ぎ回るような行為は控えている、と同大学関係者27日(米国時間)、当地で開催された「Digital Hollywood」というイベントのなかで語った。
既に報じられているとおり、UCLAは、米国の映画会社とレコード会社からデジタル著作権侵害犯として特定された学生に、通知と警告を与える技術システムを導入済みだ。
「Automated Copyright Notice System(ACNS)」というこのオープンソースの通知用ソフトウェアを導入したことにより、UCLAは、学生に著作権侵害を通知する電子メールをすぐに送信したり、違法なファイルを削除するまでの間、その学生のネットワークアクセスを制限したりできるようになっている。
一方で、ほかの大学やコンテンツプロバイダーの間では、Audible Magicなどの技術が除々に広まりつつある。これは著作権のある作品に電子個人情報を貼付したり、学生のファイル交換を監視したりする技術で、全米レコード協会(RIAA)や米国映画協会(MPAA)はこの技術を後押ししている。
「あの技術には我々は魅力を感じない。学生の行為は私的な事柄だからだ。しかし、我々は行動を変えるよう(学生に)呼びかけている」と、UCLA Student ServicesのJonathan Curtissは、大学における娯楽とITをテーマとする、教育者と技術者によるパネルディスカッションの席で語った。
しかし、Curtissによると、今年の授業最初の月に実施したUCLAの調査で、学生はどちらかといえば著作権のあるコンテンツを盗む方法を模索し続けており、その理由として映画や音楽の値段が高すぎることを挙げた。
大学におけるPtoPファイル交換を減らそうというハリウッドの努力をよそに、ファイル交換技術の可能性に期待をかけるIT管理者もいる。例えば、同じくロサンゼルスにある南カリフォルニア大学(USC)では、学生が共有ネットワークを使って音楽をリミックスまたはループできるような音楽ファイル交換ポータルを実験中で、しかもUSCはCreative Commonsのライセンスを採用して、これらを合法的にできるようにしていると、同大学のAnnenberg Center for Communicationの担当責任者Todd Richmondは語った
「我々はPtoP技術、ならびに合法的なやりかたでデータをシームレスにやりとりできる個々のコンピュータの力に、非常に関心がある」(Richmond)
いくつかの大学では、学生向けビデオオンデマンド(VOD)サービスを実験中だ。USCでも、米国の映画業界が後押しするMovielinkの試験プログラムを実施中で、学生が寮内で何本かの映画を無料ダウンロードできるようにしているとRichmondは述べた。
大学を舞台とする技術的な取組みはほかにもあり、なかでも、ノースカロライナ州のデューク大学は1650人の新入生にApple ComputerのiPodを無料で提供。学生はこのデバイス上で自分の授業の時間割にアクセスしている。USCも、学生と教員がイベント関連の情報共有につかうための、Really Simple Syndication(RSS)の技術仕様を開発した。
USCのRichmondはまた、同校では来学期から教室内に無線アクセスを導入する計画を進めているという。これについては、学生が上の空でネットサーフィンに興じ、授業に参加しなくなるといった弊害も教員側から指摘されているが、しかし同大学では学生が授業中にGoogle等の検索サイトで調べものをできるようになれば、教師の発言についてさらに深く知ることができ、その結果いっそう多くの質問をするようになるなどのメリットが考えられるとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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