大学のInternet2ネットワークで数カ月間運用されてきたファイル交換ネットワークのI2hubは、学生を狙った新しい事業で、キャンパスでの足場を固めようとしている。
オンラインの小規模な教科書交換ネットワークを獲得したI2hubの創設者らは、このネットワークをファイル交換サービスと連動させ、学生たちに古本販売で利用してもらいたいと期待している。このサービスや類似の学生向けサービスを通して、彼らはファイル交換トラフィックを、より伝統的な(そして、将来的には収益性の高い)キャンパス活動の拠点に変えようとしている。
「PtoPのイメージから脱却して、もっと学生サービスに力を入れたい。I2hubはどっしりとした幹のようなもので、そこから教科書交換のような枝葉のプロジェクトが生まれていく。他の人は、枝葉の部分にあたるプロジェクトのことばかり考えているが、そこにはキャンパスにしっかりと根をおろした幹がない」と、マサチューセッツ大学の学生でこのプロジェクトをまとめているWayne Changは述べた。
Kazaaを所有するSharman Networksは、無料のPtoPネットワークに引き付けられた大勢の利用者から利益をあげようとしてきたが、同キャンパスプロジェクトは、このようなファイル交換ソフトウェア企業と同じ軌跡をたどっている。
Sharmanや他の企業は、ファイル交換ネットワーク自体を、音楽やビデオの合法な流通経路に変身させることに重点を置いてきた。しかし、大手のレコード会社や映画会社は、PtoPネットワークを通したコンテンツ配信にライセンスを認めることはできないと、これを断固拒否している。
I2hubは、Kazaaのような従来のファイル交換サービスの代替ネットワークとして今年初めからキャンパスのネットワークに登場し、従来サービスが遠く及ばないほどのファイル転送速度を実現している。
米国やヨーロッパの多くの大学では、通常のインターネットに比べてはるかに高速なネットワークで大学間を接続するInternet2について、その利用を学生に認めている。I2hubソフトウェアは、学生がこのネットワーク上でファイル交換を行うのを可能にしている。
その結果、従来のファイル共有ネットワークであればダウンロードするのに1日もかかった大容量の動画ファイルを、たった30分でダウンロードできるようになったと学生はいう。
大学のシステム管理者のなかには、Internet2ネットワークは高帯域幅を必要とする研究者や学術研究のためにあると主張し、同ソフトウェアの使われ方に対して懸念を表明する人もいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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