Hewlett-Packard(HP)最高経営責任者(CEO)のCarly Fiorinaは米国時間23日、前四半期の業績不振の原因となった、受注処理に関する問題を解決したと発表した。
HPは7月31日に終了した前四半期に、サーバやストレージ製品の受注処理や供給管理を行なう新しいコンピュータシステムに移行したが、その際「容認しえない」問題が発生していた。その結果同社は、ハイエンドハードウェア販売の責任者だったPeter Blackmoreを解雇することになった。
Fiorinaはサンフランシスコで開催されたBanc of America Securitiesカンファレンスで、現在すでに新しいコンピュータシステムが稼動していると語った。
Fiorinaは金融アナリストらに対し、「我々は(新システムへの)移行を完了し、滞っていた過去の注文の処理を終えた」と述べ、さらに「我々はこれらの注文の履行に関する問題を全て明らかにしてきた。これまでこれらの問題に対し、様々な対策を講じてきており、完全に解決できたと確信している」と語った。
Fiorinaは過去にもHPの受注システムに悩まされた経験がある。「大学の初年度終了後、HPの出荷を担当する部門で秘書をしていたことがある。当時私は、電話の応対や船荷証券のタイプをしたり、(さらに様々な色のカーボンコピー紙が付いた用紙をめくって、誤りを修正液で訂正する)仕事をしていた」(Fiorina)
Fiorinaによると、前四半期に同社を悩ませた別の問題でも進展があったという。具体的には、欧州で同社の販売網として協力している提携企業に対する割引と補償の問題だ。「(HPの2005年度が始まる11月1日までに)欧州の提携企業に対する新たな契約条件を設定する」(Fiorina)
HPは、2004年のIT産業の成長率について、1〜2%程度に留まるとの慎重な見方をしているが、Fiorinaはこの日も慎重な見通しを繰り返した。「ドットコム業界の好不況はその初期段階が終わったことを示している」とFiorinaは述べた上で、「IT業界は今日、成熟度を増している」とし、同業界の成長率は、経済全体の5倍の早さで成長した1990年代ほどではないものの、今後は2倍の早さで成長すると見られると語った。
HPのコンサルティングビジネスは依然赤字の状態が続いているが、Fiorinaは「2005年の黒字化に向けて順調に進んでいる」と語った。Fiorinaによると、現在コンサルティング業界全体が抱える問題は、高額な人件費と長期に渡る契約への料金を顧客が払おうとしなくなっている点だという。「(巷には)あまりに高額な人材が溢れている」と同氏は語った。
Fiorinaは、それでも全体的に見るとHPのポジションは改善していると述べた。同社では51億ドルに上る自社株買いの実施、これまでより高額な株主配当金の支払い、そして研究開発や他社の事業買収などが行える状態にあるという。
同氏はHPの株価と業績を示すデータを示しながら、「HPQ(同社株を示すティッカーシンボル)は、IT関連株ではお買い得の銘柄だ」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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