Intelは米国時間22日、ローエンドのPCにもIntel High Definition Audioなどの高度な機能を持たせられる新チップセット「Intel Express 910GL」を発表した。
最近のIntelにとって、マシン内部のデータの流れを制御し、PCの中枢神経として機能するチップセットは、ますます重要なものになってきている。相当数のPCメーカーが同社のチップセットを採用しているため、Intelでは新チップセットを使って、PCにより多くの機能を追加し、コンピュータの新たな利用法を定着させようとしている。この試みは、デジタルホームのような新市場でのPCの価値を高め、またユーザーのアップグレードを促すためのものだ。
Intelによると、910GLにIntel High Definition Audioが盛り込まれたことで、音質向上や複数のオーディオチャネルへの対応などの点で、低価格PCの音楽再生能力が向上するという。また、同チップセットには高性能の画像処理用プロセッサも統合され、簡単なコンピュータゲームでの性能が向上する。さらに、高性能の拡張カード用インタフェース「PCI Express」も搭載されるが、ただしPCをWi-Fiベースステーションに変えるIntelのWireless Connect Technologyや、RAIDなどの高度な機能は搭載されていない。
910GLでは、フロントサイドバス(FSB:プロセッサ間を結ぶデータ経路)が533MHzとなり、また400MHzで動作するPC3200 DDR SDRAMメモリをサポートするなど、基本的な部分での機能強化が図られている。これら2つは、PCの性能に影響する重要な部分だが、865GなどIntelの低価格チップセットで既に採用されている。
910GLの価格は34ドルで、Intelの主力チップセットである「Intel Express 915G」と同等の機能を多く提供しながら、それよりも約10ドル安い価格となっており、低価格デスクトップをアップデートを検討するPCメーカー各社に、低コストの選択肢が提供されることになる。なお、現時点ではPentium 4 500シリーズプロセッサを搭載する915Gデスクトップの価格は約750〜850ドルからとなっている。
しかし、910GLを採用するマシンの価格は600〜700ドルの価格帯に収まる可能性が高いとIntelの関係者はいう。したがって、これらのマシンが投入されれば、915Gチップセットのデスクトップ機と、900シリーズチップセットの新機能を搭載しない865Gデスクトップ機の間のギャップが縮まるものと思われる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス