IEからFirefoxへの乗り換えユーザーが増加中--米報告

Robert Lemos(CNET News.com)2004年09月16日 12時24分

   ここ9カ月で相当数のユーザーがMicrosoftのInternet ExplorerからオープンソースブラウザのMozillaとFirefoxに乗り換えたことがウェブサイトの複数の指標から明らかになった。

 プレビュー版のバージョン1.0が米国時間14日にリリースされたFirefoxやMozillaの利用者が増えつつある傾向は、新し物好きなハイテクマニアが集うウェブサイトで顕著にみられる。たとえば、ウェブ開発チュートリアルサイトW3Schools.comでは、Mozillaベースのブラウザを利用する訪問者の割合が1月時点では8%だったのに対し、9月には18%に達した。一方、Internet Explorerを利用する訪問者は同時期に84%から75%へと減少している。

 CNET News.comサイトを訪問する読者も、1月に8%だったオープンソースブラウザ利用者の割合が9月最初の2週間は18%に上昇している。

 MozillaとFirefoxの両ブラウザと、これらで採用されているGeckoブラウジングエンジンを開発するMozilla Foundationは、バージョン0.8で300万件だったFirefoxのダウンロード数が、バージョン0.9では600万件へと倍増したと述べる。また同グループによると、最新版であるFirefoxリリース候補1.0は16万人がダウンロードしたという。

 Mozillaの広報担当Bart Decremは、「Internet Explorerのセキュリティに対する懸念が広がった7月に関心が一気に高まったのは明らかだ。この動きは一時的なものに過ぎないと思う人も多いかもしれないが、今回はこの傾向がまだ続いているようだ」と語った。

 ウェブ分析会社のWebSideStoryによると、一般的なユーザーは、Microsoft以外のブラウザに対して同様の熱烈な関心を示していないものの、Firefoxを利用し始める人も増えているという。Eコマースサイトや企業サイトの訪問者のうち、Firefoxとその前身であるMozillaブラウザを利用する人の割合は、2004年6月時点では3.5%だったが、9月には5.2%に達した。一方、同社によるとMicrosoftのシェアは6月の95.5%から9月には93.7%に低下したという。

 1998年にNetscape CommunicationsがスタートさせたMozilla Foundationは、最近までMicrosoftとの競争に苦戦していた。Netscapeは2000年に、同グループで行ってきたオープンソース開発の成果物としてブラウザをリリースしているが、これも失敗に終わった。また、同ブラウザは、コードの巨大化という問題も抱え、Mozilla Foundationにとってサポート上の大きな負担となった。そこで同グループは、「Phoenix」や「Firebird」と一度は命名され、後に商標の問題を回避するため「Firefox」と改名されたサイズが小さく動作も速いアプリケーション開発に重点を置くことになった。

 その後、MicrosoftのInternet Explorerに重大なセキュリティ問題が何度も発生したことが、Mozillaのソフトウェアにとって追い風となった。6月には、強気の広告主らがInternet Explorerの欠陥を利用して被害者のPCにアドウェアを不正にインストールしていることがセキュリティ研究者によって明らかにされた。今週も、新たに判明したグラフィックス関連の欠陥により、Internet Explorerユーザーに問題が発生する可能性が出ている。

 同オープンソース団体にとってもう1つ有利な点は、ソフトウェアにポップアップ排除などの機能が搭載されていることだ。一方のMicrosoftは、これらの機能を先ごろようやくブラウザに搭載したばかり。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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