Mozilla Foundationは、「Firebird」という商標名を巡り、過去10カ月にわたって、別のオープンソース団体との間で激しい論争を続けていたが、この程スタンドアロンのブラウザの名称を「Firefox」へと変更することになった。
新しいブラウザは、サイズの大きさが批判を浴びていた現行のMozillaブラウザの簡素化を目指したものだが、バージョン1.0の登場までに3度も名称を変更したことになる。
このブラウザのオリジナルの名称は「Phoenix」だったが、この名称は商標上取得が難しいと分かったMozillaは、その後この名を「Firebird」に変更した。この「Firebird」という言葉は、不死鳥の同意語と考えられることが多い。
その後、MozillaはオープンソースのRDBMS開発プロジェクトのFirebirdから抗議を受けた。同グループは、同じ名前をデータベースとブラウザで呼び分けたとしても、名前が同じものが存在することは混同を招くと懸念していた。
この苦情に対し、当初は対応を渋っていたMozillaだが、その後自分たちより前からFirebirdという名称を使っているこの開発コミュニティのプレッシャーを受けて、譲歩することになった。
Mozillaは当初、ブラウザを厳密に「Mozilla Firebird」とすることにしたが、この対応策でも問題は解決しなかった。そのため、Mozillaはブラウザの名前を再度改め、「Firefox」に変えると決断したが、この商標名の使用権を所有する英国企業が存在していたために、再びトラブルに巻き込まれた。Mozillaは相手の企業と交渉を続け、やっと英国でこの商標を用いることができるようになったが、この合意に至るまでに数カ月もの時間が経っていた。。Mozillaの広報担当者は、この英国企業の会社名や合意条件に関する情報を、一切明らかにしていない。
Mozillaは今回、名称の変更とともに、同ソフトウェアのバージョン0.8もリリースした。新バージョンは、Mozilla初のエンドユーザー志向のソフトウェアに向けた大きな一歩になるという。
新バージョンで新しく追加された機能には、ダウンロードマネージャ、ブックマーク機能の改善、Mozilla「拡張」の強化などがある。この3番めの拡張は、小型のアプレットで、バナー広告削除、スペルチェック、人気サイト検索などを行うものだ。
Mozillaによると、新たに追加した有料電話サポートオプションを購入する顧客は少ないという。だが、このサービスは、同ブラウザに対する企業からの信頼性を高めるため、維持する価値があると述べている。Mozillaはこの他にも、新たな電子メールベースのサポートサービスも計画している。
Firefox 1.0の開発は、Thunderbirdと呼ばれる電子メールクライアントとともに、今年前半中に完了すると見られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス