シスコシステムズは米国時間29日、現金8200万ドルでActona Technologiesを買収することに合意したと発表した。Actonaは、地理的に離れたオフィス間でデータを管理する技術を提供する新興企業。
ネットワーク最大手のCiscoは、WAN(Wide Area Network)接続とネットワークセキュリティやIP音声通信、ビジネスアプリケーション、動画サービスを組み合わせた拠点間ソリューションを提供しており、これにActonaの技術を統合するという。Actonaの技術は、Ciscoの拠点用アクセスルータの機能を拡張することでCisco製品を強化する。
Actonaはファイルキャッシュ管理ソフトウェアを開発しており、企業はこれを利用することにより、サーバやストレージを統合したり、バックアップや災害復旧のプロセスを中央で管理したりできるようになる。Actonaの技術により、遠隔地にある企業拠点のスタッフも本社スタッフと遜色ない速度で情報にアクセスできるという。
Actonaの技術は、中央のデータセンターで用いる「ActaStor CoreServer」と拠点で用いる「ActaStor EdgeServer」で構成される。拠点に設置した「ActaStor EdgeServer」は、キャッシュした中央のストレージのビューをローカルのクライアントに提供する。データセンター側では、「ActaStor CoreServer」は1台かそれ以上のファイルサーバと直接接続されており、遠隔にある「ActaStor EdgeServer」に代わってファイルをリクエストする。
「今日の分散拠点用のストレージ管理手法は、複雑だしコストもかかる」とCiscoのルーティング技術グループ担当バイスプレジデントGeorge Kurianは述べる。「インテリジェントなネットワークサービスを提供することは重要だ。これにより、拠点が分散している大企業はファイルサーバとストレージを中央に配置でき、遠隔にある企業データを保護し、コスト効果が高い形で管理できる」(Kurian)
Ciscoはすでに、「Cache Engine 500」というWebページキャッシュアプライアンスを提供している。ISPや企業顧客は同製品を利用してWebコンテンツ配信を高速化でき、WANの帯域幅の使用を最適化できる。1999年、CiscoはTasmaniaというWebキャッシュ技術を提供する新興企業を2500万ドルで買収している。
CiscoはActonaに早くから投資しており、すでに約17%の同社株式を取得していた。新しい合意の下、Cicsoはまだ取得していない発行済み全株式を購入する。また、発行済みのActonaのオプションをCiscoのオプションに転換することも計画している。取引は、7月1日に始まるCiscoの会計年度2005年第1四半期中に完了する見込みという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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