Cisco Systemsは米国時間23日、IP関連ソフトウェアを開発する新興企業を2億ドルで買収する計画を発表した。
Ciscoが買収するのは、IP制御ソフトウェアを開発するP-Cube。同社のソフトウェアは、無線/有線ブロードバンド・サービスプロバイダー向けで、VoIP、インタラクティブゲーム、ビデオ・オン・デマンド、PtoPアプリケーションといったIPサービスに関して、制御やモニタリング、課金などを簡単に行えるよう設計されている。
P-Cubeのソフトウェアは、ディープ・パケット・インスペクション(Deep Packet Inspection)技術を利用している。サービスプロバイダらは同技術を使って、契約ユーザーの身元特定、アプケーションの分類、サービスパフォーマンスの向上、複数のIPサービスに対する課金などが、高価なインフラのアップグレードを行わずに実現できる。
Ciscoでは、すでに市場に出回っているP-Cubeアプリケーションの販売とサポートを継続する計画だ。将来的に、同社はこのソフトウェアをCisco 10000 Edge Services Routerに統合していく。同ルータ製品は、サービスプロバイダのネットワークの末端でブロードバンドのトラフィックを集約するのに使われている。
「P-Cubeの技術は、われわれのブロードバンド集約ルータにとの補完性が高い」と、Ciscoでコーポレート製品開発部門のシニアディレクターを務めるNed Hooperは述べている。「Cisco 10000(Edge Services Router)がルーティング層でブロードバンドの各セッションを管理する一方、P-Cubeが各セッションに関するさらに多くの情報を追加するため、よりよい帯域幅の制御が可能になる」(Hooper)
ビジネスの多様化を目指すCiscoでは、何年にもわたってサービスプロバイダ向けの市場に力を入れてきている。現在同社の売上の多くを占めているのは、大企業向けの製品だ。
「CiscoのP-Cube買収は、われわれのサービスプロバイダへのコミットメントならびにサービスインテリジェンスをIPデータネットワークにもたらすという継続中の試みをさらに強調したものだ」と、シニア・バイスプレジデントならびにCiscoのルーティング技術部門のゼネラルマネージャを務めるMike Volpiは声明の中で述べている。「P-Cubeの技術は、CiscoのBroadband Edge製品群全体のポートフォリオを補完するものとなるだろう」(Volpi)
ブロードバンドルータ市場は、Ciscoにとっては大きなチャンスだ。市場調査会社のNielsen/NetRatingsによると、米国内でのDSLやCATV回線の契約ユーザー数は成長を続けており、2004年7月の時点では6300万人が家庭でブロードバンドを利用しているが、これは米国のインターネット人口の51%に相当するという。ちなみに、昨年の家庭へのブロードバンド普及率はネット利用者全体のわずか38%だったことから、現在の普及率は昨年と比べて47%成長した計算となる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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