バルセロナ(スペイン)発--Novellによると、MicrosoftはIT業界から、もっと有益なことに使えたはずの膨大な金額を搾取しているという。
NovellのCEO(最高経営責任者)、Jack Messmanは米国時間13日、同社が毎年当地で開催している「BrainShare Europe」カンファレンスで顧客やパートナーを前に講演し、MicrosoftがWindowsのライセンス料を搾り取っているため、エンドユーザーである組織や独立系のソフトウェアデベロッパーが「革新的な」ソフトウェアに資金を投じられなくなっている、と語った。
「Microsoftのせいで技術革新のスピードが遅くなっている、というのが私の意見だ。同社は、技術革新のために利用できたはずの資金を600億ドルも業界から搾り取った」(Messman)
これについて、Microsoftの関係者からコメントを得ることはできなかった。
Messmanによると、この問題の解決策は、オープンソースソフトウェアの普及からもたらされるという。オープンソースのソフトウェアが普及すれば、クライアント/サーバOSのコモディティ化がさらに進み、それによって次には企業各社が上位層のアプリケーション開発に予算を割り当てられるようになる、とMessmanは語った。
「OSがコモディティ化して企業が多額の投資をしなくても済むようになり、その浮いた分の金額を革新的な技術に回せるようになる。これが私の思い描くビジョンだ」(Messman)
Novellは、クライアントからサーバまで、Microsoft製品に対する代替選択肢をすべて提供可能なソフトメーカーとして自社を位置づけることに熱心だ。Red HatなどのLinuxベンダー各社は、このような方針には尻込みしている。
Novell(本社:マサチューセッツ州ウォルサム)は、ISVやパートナーの基盤を前四半期比で約92%拡大したと主張している。
Messmanは、JBossアプリケーションサーバなど、サードパーティーが出すオープンソース製品をサポートするのがNovellだけである点を指摘した。
Messmanは基調講演のプレゼン用にLinuxマシンを使ったが、これを含めてNovellでは、オープンソースと名の付くものなら、どんなものでもサポートすると声高に叫んでいる。だが、そんな同社も当面はWindowsのサポートを続けていくという。
NovellのCTO(最高技術責任者)、Alan Nugentは、「94%のマーケットシェアがある以上、Windowsのサポートを中止することはない。そのような行為は無謀だ。しかし、ある時期が来れば市場がWindowsを捨てる、とわれわれは考えている。われわれは、顧客が望む限りWindowsの環境をサポートする」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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