司法省との反トラスト裁判で、Oracleは米国時間1日、経済学教授の証言を最後に、一連の証拠提出を終えた。
証言の最終日、Oracleは、市場におけるIBMの役割を強調する内容の文書を提出した。また、その前日には、Computer Associates Internationalの何かと物議をかもす最高経営責任者(CEO)が、買収計画に関してOracleに助言していたことが暴露された。
連邦地裁で行われたこの日の裁判では、カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院教授David Teeceが証言台に立った。Teeceは、OracleによるPeopleSoftの買収について、ソフトウェア業界に大きな革新をもたらすという、司法省とは反対の意見を述べた。Oracleは、買収によって研究開発活動により一層の力を入れ、ライバルのIBMやSAP、Microsoftと互角に戦えるくらい製品価格を引き下げることが可能になると、同氏は証言した。
「これは、(政府に)無視されているが重要な観点だ」と、Teeceは述べた。
Oracleは、PeopleSoftを獲得できれば、IBMやSAP、Microsoftといった強力なライバルと競争しやすくなると主張する。一方、司法省は、OracleがPeoplesoftを買収すれば、IBMやMicrosoftが活躍していない企業アプリケーション市場の競争が抑圧されてしまうと論じている。
IBMを震え上がらせる
Oracleは同日の裁判で、PeopleSoft買収に向けた同社の動きをIBMが脅威と見ていたことを示す、新たな証拠を提出した。IBMがOracleの買収活動に強い関心を示したことは、この業界における競争力学が、司法省が考えているより広範で複雑なものである証拠だとOracleは主張した。
Oracleが証拠として提出したスライドプレゼンテーションには、アプリケーションビジネスが、データベース市場におけるライバルであるOracleとMicrosoftの2社に集約されていく展開をIBMが嘆く様子が描かれている。「われわれは、独立系ソフトウェアベンダ、特に競合ベンダ同士が整理統合されていくという脅威にさらされている」と、IBMはスライドに記している。
「PeopleSoft/JDE/Oracleの合併とISVの整理統合がIBMにもたらす影響」と題する同プレゼンテーションは、Oracleが77億ドルの敵対買収計画に着手した1週間後の2003年6月13日に作成されている。ISVはIndependent Software Vendor(独立系ソフトウェアベンダー)、JDEは、昨年PeopleSoftが買収したソフトウェアベンダーのJ.D. Edwardsを指す。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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