オンライン広告の代理店事業を手掛けるナスダック市場上場のセプテーニの株価が、ここにきて30万円台を回復するなど堅調な推移をみせている。セプテーニの業績動向を通してオンライン広告の現状を探った。
セプテーニのインターネット広告代理事業の売上高は、全体の市場規模拡大の追い風もあり、大幅な拡大基調が続いている。また、ここ数年は積極的なM&A(企業の合併・買収)の実施により事業領域を拡大させており、グループ全体の高成長・営業利益の上昇効果が出はじめている。
4月以降の同社のインターネット関連事業の連結ベースでの売上高を振り返ってみると、4月=5億2125万円(前年同期比66.9%増)、5月=5億5456億円(同68.2%増)、6月=6億2986億円(同52.1%増)、7月=6億1170億円(同57.5%増)、と平均して60%増ペースという非常に好調な推移となっている。
同社では、「広告主の業種別に関してはとりたてて偏りはなく、全般堅調に推移しているのが現状」(広報・IR担当)としている。オンラインという媒体は、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌などの媒体とはやや趣きが異なり、ターゲットとする顧客層への一点集中的なアプローチが十分に可能なことや、費用対効果の点から判断してもコストパフォーマンスに優れていることが継続的な高成長の背景にある。
同社は、オンライン広告とDM(ダイレクトメール)などの発送代行を利用したダイレクトマーケティング支援事業を主力としている。今年3月には、M&Aによって電子メール配信システムのトライコーンを子会社化した。これにより、デジタルマーケティングと電子メール事業に進出するなど総合サービス化を目指している。
同社の2004年9月期の連結業績は、M&Aに伴うのれん代の一括償却で、最終損益が9億円の赤字となる見通しだが、その一方で売上高は112億円(前期比27.9%増)、経常利益5億8000万円(35.2%増)と大幅な増収、経常増益を見込んでいる。そして、今期の最大の特徴は、広告代理事業を中心としたインターネット関連事業の売上高が、創業以来はじめて連結ベースで半数を超えてくるということだ。
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