映し出される画像はランダムに変化し、英語の次にはフランス語の文字が表示される。
「これは、アドリブ演奏をイメージしているのよ」とCarol Stakenasがキーボードを叩きながら答えた。Stakenasは特別なソフトを使って機材を操作し、映し出す映像の内容とその順番を決める。またStakenasがキーボード入力した文字を画像に重ねて表示させることもできる。
Stakenasは、他のアーティストや技術者と共に12人でScreensaversという名のグループを結成し、ニューヨーク市で共和党全国大会が開催されている間、ウェブベースのインタラクティブ・アートプロジェクトを通じてBush政権に対する抗議運動を展開している。この運動では、様々なウェブサイトから集められた素材--RSS(Really Simple Syndication)を使って集められたブログテキストや、ビデオクリップ、音声サンプル、写真など--が使用される。また、このほかにアーティストらは自分たちで開発したKeyworxと呼ばれるソフトを使っているが、これは複数人がリアルタイムで同じ環境を共有しながら、画像や音声、テキストを掲載することを可能にするものだ。
このパフォーマンスはRNC Redux NYC 04と呼ばれ、パフォーマンスが行なわれている間は一般の人でもSMS(Short Message Service)やAmerica OnlineのInstant Messenger、ウェブカメラを使ってこの活動に参加することができる。
セキュリティがあまりに厳重になりすぎた結果、言論の自由に基づく多くの表現が抑制されているように見える現代において、Screensaversのような抗議団体やパフォーマンスアーティストはウェブの利用に目を向け始めている。
「ニューヨークをはじめ世界中のアーティストや活動家が、共和党大会開催中に自分たちの意見を表明する手段を必要としている」と語るのは、Postmasters GalleryのオーナーTamas Bonavichだ。Postmasters GalleryはScreensaversや他の9人のデジタルアーティストのパフォーマンスを主催している。「ニューヨークでは公の場で自己表現するのは極めて難しい。看板を立てたりしようとすると逮捕されてしまう」(Bonavich)
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