米国の人気バラエティ番組「Saturday Night Live」でBush大統領の完璧な物まねを披露し一躍有名になったコメディアンのWill Ferrellが、今度は政治運動の名目で、自身の風刺コメディ映像をネットで配信した。
1000の顔を持つコメディアンのFerrellが出演するオンライン映像の噂が電子メールや口コミを通じて全米中に広がり始めた。この映像は、草の生い茂った牧場でBush大統領が選挙運動用のコマーシャル撮影を行なっている設定で、Ferrellがお馴染みの白髪交じりのかつらをかぶり、眉間にしわを寄せた表情で登場する。撮影は、Ferrell扮する大統領が台詞を間違えたり、本番開始の合図を逃したり、馬にひじをかじられ恐怖のあまり体をこわばらせる度に中断する。
Ferrellが熊手を肩に担ぎながら白いフェンス沿いを歩いている映像のバックに次のようなナレーションが流れる。「私、George W. Bushはこのメッセージを承認します・・・実際、素晴らしいと思います。」
「Straight Talk!」というタイトルのこの映像は、自由主義の政治理念を掲げる権利擁護団体America Coming Together(ACT)からの資金提供を受けて作成されたもので、Bush大統領を批判する内容になっている。近年稀に見る大接戦で、激しい論議が行なわれている今回の大統領選において、このようなインターネットを使った運動は、各候補者の選挙運動でインターネットの役割が高まっている現状を浮き彫りにしている。Bush/Kerry両陣営の選挙運動員は大規模な支持者のデータベースを作成し、インターネット視聴者をターゲットにした政治的宣伝活動を開始した。
「人々がわれわれに注目し、ウェブサイトを閲覧したり、われわれの各州の事務所を訪れてくれれば、目的達成といえる」と語るのはACTのオンライン戦略担当ディレクターThomas Gensemerだ。
ACTは映像の撮影中、組合員には賃金を支払ったが、Ferrell と監督のAdam McKayはこのプロジェクトを考案した上、無報酬で自発的に撮影に参加してくれた、とGensemerは付け加えた。McKayはFerrell主演の最新映画「Anchorman: The Legend of Ron Burgundy」の監督も務めた。
Bush大統領の選挙運動用のホームページでは、民主党員や対立候補者であるJohn Kerryを批判するオンライン映像が公開されている。一方、Kerryも選挙資金集めにインターネットを利用し、さらに副大統領候補にJohn Edwardsを指名することも最初に電子メールで発表した。
他の選挙運動でもインターネットが一般民衆の支持獲得のための手段として大きな役割を果たしており、民主党の大統領候補指名の獲得に失敗したバーモント州知事のHoward Deanの選挙運動はその代表的な例といえる。
大統領選挙の年に政治的な風刺やユーモアがインターネット上で見られるようになったのはごく最近のことだ。カリフォルニア州サンタモニカに拠点を置くJibJabは、二人の候補者のパロディアニメを配信するという、より超党派的アプローチを取っている。このアニメは、Woody Guthrieの「This Land Is Your Land」という昔の曲に合わせてBushとKerryが互いに侮辱し、罵り合うという内容だ。
今のところ、このアニメは大好評で、同社の設立者のGregg/Evan Spiridellisは主なニュース番組や米国の人気トーク番組「The Tonight Show with Jay Leno」に出演を果たした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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