Bill Clinton前大統領が米国時間22日に回顧録を出版し、初めての記念サイン会を開いたが、そのわずか数時間後にはすでに、このサイン入りの本がeBayに出品され、250ドル以上の価格を付けられていた。
このなかには、厳密に言えばまだサインが入っていないものまである。eBayの常連で、Clinton前大統領の長年のファンでもあるミネソタ州セントポール在住のJason Gabbertという出品者は、家族と自分が来週カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されるサイン会の券を入手しており、必ずサイン入りの同書を数冊用意できると述べている。
「Clintonの影響力には驚かされる」とGabbertは語ったが、同氏はeBayでサイン入りの同書を既に5冊以上販売したという。「この自叙伝にはものすごい需要がある。皆が認めようが認めまいが、前大統領はかなりの人気者なのだ」(Gabbert)
出版前から大きな期待を集めていたClinton前大統領の回顧録だが、その出版を機に需要と関心が一気に高まったのはeBayだけではない。
「My Life」というタイトルの同書は、20日夜に「60 Minutes」というテレビ番組で1時間に及ぶインタビューが行われるなど、数週間前から各メディアで大きく取り上げられてきた。同書はTime誌の表紙を飾り、新聞各紙もClinton自身やその著書に関する記事、そしてこうした報道の過熱ぶりを取り上げた記事さえ掲載していた。
Drudge Reportという人気ウェブサイトでは、同書籍発売の数日前から、小さいスペースながら「Clinton Summer(クリントンの夏)」という特集を組み、同書に関する各種記事へのリンクを用意した。
こうした大規模なメディアの報道と、Clinton自身への根強い人気は、書籍の売上に直接結びついている。
この回顧録は、発売日にAmazon.comのベストセラーランキング第1位となったが、それだけでは終わらない。CD版のオーディオブックも第7位につけ、大型活字版は第8位、そしてカセットテープ版も第24位につけている。
マンハッタンで開催された最初のサイン会では、最前列に座ろうと24時間以上も行列に並んだ人が出たが、それと同じようにAmazonに最初にレビューを書こうと先を争った読者が少なくとも1人はいた。
Amazonにある個人ページによると、イリノイ州ブルーミントンにある教会の牧師で、Kurt Messickという名前のこの評者は、21日の真夜中にある書店から同書を購入して読んだという。同氏はこの回顧録に概ね好ましい評価を与えており、歴代大統領の自伝と比べても遜色がないと記している。
だが、ほかの評者はここまで甘くない。The New York Times紙のレビューでは同書を「感傷的で独り善がり、そして眠くなるほど切れ味が悪い」と評している。「A Pastiche of a Presidency(大統領のモノマネ)」というタイトルのこのコラムは、米国時間20日に掲載された後、ウェブ全体に幅広く転載された。しかしTimes紙は、それでも中味を見たいという読者のために、同書の第1章の全文を掲載した。
一般書店では35ドルという高値で売られている同書を、数ドルでも安く買いたいという人には、ウェブでの購入がお勧めだ。米国時間22日時点で、Amazonが同書を40%引きの21ドルで販売する一方、Walmart.comでは18ドル90セントで販売している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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