Forrester Researchが米国時間30日に発表した2つの報告によると、来年度のIT支出は1けた台後半の伸びを示し、2008年まで同じようなペースが続くという。
米国における物品、サービス、人員に対するIT関連支出は、来年6.4%成長すると見られていることが、Forrester Researchが最高情報責任者(CIO)を対象に実施した四半期調査の結果明らかになった。この穏やかな伸び率は、過去2四半期の調査の結果を上回るものだ。
「石油価格の高騰によるマイナスの影響や、ソフトウェアベンダ各社が予想を下回る四半期決算を行ったにもかかわらず、各社のCIOは概してIT支出が穏やか伸びを示すと見ている」と、Forresterの調査担当ディレクター、Tom Pohlmannは述べている。
今回発表になった第3四半期の調査では、自らの所属する業界の状況について「非常に健全」と答えた回答者が15%に上った。 Pohlmannによると、同様の回答を行った人の割合は、第2四半期の調査では5%、また第1四半期の調査では4%だったという。
「非常に健全」と答えたグループと、「問題ない」または「健全」と答えたグループを合わせると、合計と76%になり、前期の73%から若干上昇している。
Forresterは同社の予測モデルに基づくIT支出予測も発表した。
同社は、コンピュータのハードウェアに対する支出が来年ピークの14%に達するが、その後は横ばいとなり、2008年まで平均9%の成長率が続くと予測している。
ソフトウェアに対する支出は、ハードとは異なる伸び方を示し、来年はわずか3%しか成長しないが、それ以降は平均7%のペースで成長するという。同報告書によると、来年のソフトウェア支出の牽引役となるのはシステム管理、ストレージソフトウェアとセキュリティ関連のアプリケーションで、一方ウェブサービスと複合アプリケーションは再来年以降の牽引役になるという。
ネットワーク機器とITコンサルティングの伸びは、2008年までそれぞれ平均4%台で推移すると予想されている。
ネットワーク機器分野の成長を促進するのは、老朽化したLAN(ローカルエリアネットワーク)機器の入替えニーズに直面する法人顧客だが、一方で通信事業者は投資規模を縮小すると見られている。
企業が、新たな雇用を通して人員増加を図るのではなく、アウトソーシングを選択するため、ITコンサルティングやシステムの統合作業に対する支出はわずかな伸びに留まるという。またRFIDやオープンソースソフトウェア、ビジネスプロセス管理用ソフトのような新しい技術も支出の伸びを加速すると見られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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