Forrester Researchが北米の企業各社を対象に行った、2004年のIT予算計画の調査結果を発表した。それによると多くの企業で、今年のIT支出額が当初想定していた予算枠を超えそうだという。また、コスト削減の傾向が弱まり、各社が再び最新技術を将来の成長につながるツールと見なし、興味を持ち始めていることも明らかになった。
Forrester Researchは北米115社の企業を対象に、IT予算計画について尋ね、その調査結果を米国時間8日に発表した。この調査からここ3カ月の間に各社の最高情報責任者(CIO)がIT投資額を拡大していることが明らかになった。
Forresterによると、インタビューの対象となった企業のうちの34%が、2004年のIT支出額が当初予測を上回りそうだと回答している。なお、第1四半期に行った調査で同様の回答をした企業は25%だった。予算通りの支出になると回答したCIOは全体の55%であった。さらには、43%の回答者が自社のビジネス環境を非常に上向き、あるいは上向きと見ている。前四半期に同様の回答をしたCIOは33%だった。
Forresterのアナリストでこのレポート作成に携わったNick Wilkoffは、「ここしばらくIT(支出)について楽観視する傾向が漂っていたが、第2四半期になってこのような肯定的な感触が支出に現れ始めた」と述べている。「財布のひもが緩くなってきたことを示す本物の徴候だ」と付け加えた。
それでも技術業界が好景気にわいていた時代の投資と比較すると、今回のIT支出はまだ停滞気味である、とWilkoffは指摘する。また同氏は、今回の調査結果について、業界全体の期待感を高めるに違いないと述べる。
Forresterの予測によると、支出増加の影響を最も強く受けるのはコンピュータハードウェア市場で、2003年と比べて同市場は11%成長するという。また、オペレーティングシステム(OS)やシステム管理ソフトウェア、セキュリティソフトウェアの売上高は今年9%拡大すると同社は予測している。さらにITアウトソースや通信機器に関する支出もそれぞれ9%、11%ずつ増加しそうだという。
ITをとりまく経済環境は、間違いなく改善されている。この傾向は、各社CIOが最新技術動向に強い関心を寄せているというForresterの見解からも伺える。現在、支出の多くが既存システムの運用改善を目的としているのに対し、66%の幹部が、研究開発を含め最新技術に投資する金額を今後増加させるつもりだと回答している。
このうち人気が高かった興味分野は、オープンソースソフトウェア、RFIDシステム、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)などであった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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