調査会社Gartnerが発表した最近の報告によると、2003年に全世界でITサービスの利用にあてられた費用は、2002年から6.2%増加して5690億ドルに達したという。
ITサービスの範囲は、ハードウェアのサポート契約からSI、アウトソーシングにまで及ぶ。アウトソーシングとは、アプリケーションの開発やヘルプデスクサポートなどの業務を外部の企業に委託することで、国内で行われる場合もあれば、国外へ業務委託する場合もある。GartnerのアナリストKathryn Haleによれば、現在ではアウトソーシングがITサービスの主な原動力になっているという。
「2004年の間は、アウトソーシングが全世界のITサービス市場の成長を促進するだろう。ITマネジメントやプロセスマネジメントの業務委託が、コンサルティングサービスや開発、SI業務の委託よりも急速に成長するだろう」と、Haleは声明の中で述べている。
業務の海外アウトソーシングはここ1年くらいの間論争を呼んでいるが、特に委託する業務の規模が争点になっている。Gartnerは米国時間21日、「海外アウトソーシングの急増が、ITサービス支出全体の成長に緩やかな影響を与えている」と、説明した。
Gartnerはまた、インドに本拠地を置くベンダの売上は29%増加し、市場全体の1.4%を占めるようになったと述べた。インドは、海外アウトソーシングの拠点として脅威ともみられている。
IBMはITサービス最大手の座を維持しており、市場シェアは7.5%で安定しているとGartnerはいう。これに続く第2位、第3位は、それぞれEDSと富士通だ。Computer Servicesが先ごろサービス部門とハイエンドコンピューティング部門を統合したHewlett-Packard(HP)を抜き第4位となり、HPは第5位に後退した。Accentureは第6位に留まっている。
この6社のうち、IBMと富士通のみが市場全体の成長と同じもしくはそれ以上の速さで成長している。
特にストレージサービス分野で、HPの勢力が弱まったとGartnerはいう。データストレージやハードウェア保守、マネジメントサービスを含むこのサービス分野は、昨年221億ドル規模になり、2002年に比べて6.3%成長した。今週Gartnerが発表した別の報告によれば、2003年におけるストレージサービス市場でのHPのシェアは、6%だったという。これは、ストレージハードウェアベンダEMCと同列2位の業績だ。首位であるIBMの市場シェアは21%だった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」