日本IBMは13日、ウェブコンテンツやアプリケーションをモバイルデバイス用に自動変換するためのソフトウェア「WebSphere Everyplace Mobile Portal V5(WEMP)」を発表した。1種類のコンテンツを複数の端末にあわせて自動変換できるため、コンテンツ作成コストの削減と開発期間の短縮が実現できるという。
日本IBM ソフトウェア事業 パーベイシブコンピューティング営業部長の中垣勝博氏は、通信可能なユビキタスデバイスの数が現在の24億台から2008年には230億台に、2012年には1兆台になるというIDCの予測を示し、パーベイシブコンピューティング時代の到来に向けたソリューションが重要だと述べる。「さまざまなデバイスを使って、さまざまなデータを、ネットワークを通じて処理するというのがパーベイシブコンピューティングのビジョンだ」と同氏は説明し、今回発表した製品がパーベイシブコンピューティングを実現するものだとした。
日本IBM ソフトウェア事業 パーベイシブコンピューティング営業部長の中垣勝博氏 |
WEMPは、音声やデータ情報などのコンテンツを、PDAや携帯電話などのモバイル端末にあわせた形式で配信できるというもの。例えば、3種類のモバイル端末が存在する場合、これまではそれぞれの画面表示に適した形式でコンテンツを開発する必要があったが、WEMPを使えば1種類のコンテンツ開発のみで3種類の端末に対応することができるため、開発コストが約3分の1になるという。
また、通信事業者やサービスプロバイダは、WEMPを利用してコンテンツ変換サービスを提供することも可能だ。つまり、「コンテンツ管理という新しいビジネスモデルを展開できる可能性がある」と、日本IBM ソフトウェア事業 パーベイシブコンピューティング営業部の首藤薫氏はいう。なお、同製品は米通信事業者のSprintで採用される予定だという。
WEMPは、通信事業者などに向けたモバイル環境のミドルウェアソリューション「WebSphere Everyplace Service Delivery V5(WESD)の1製品として提供される。WEMPの利用価格は、1サーバあたり2325万7500円から。対応OSは、AIXとSolarisで、Linuxなど他のOSについては「今後顧客ニーズに応じて順次対応していく」としている。
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