全米映画協会、DVDチップメーカー2社を提訴

 全米映画協会(MPAA)は米国時間23日、違法コピー防止規定を無視する企業にDVDチップを販売したとして、チップメーカー2社を提訴したこと明らかにした。

 今回の訴訟は、DVDハードウェアメーカーを対象にしたものとしては2例目。MPAAは、ハリウッド認定のコピー規制システムから逸脱したディスクプレイヤーを厳重に取り締まる運動を展開しており、今回の訴訟もこうした取り組みの一環だ。

 今回提訴されたのはカリフォルニア州ミルピタスのSigma Designsと、台湾に本社を置くMediaTekの2社。MPAAによると、2社は、通常のDVD技術ライセンスで許可されていない機能を搭載した製品を販売する企業に、DVD再生チップを販売していたという。この行為は、チップメーカーがDVDチップの製造開始時に結ばなくてはならないライセンス契約に違反している、と同協会は述べる。

 MPAAの技術担当主任弁護士Dan Robbinsは声明の中で、「責任のある企業市民は、署名をした契約を遵守するものだ。システムを回避し、違法な企業活動をしようとする無責任な企業に情状酌量の余地はない」と述べた。

 MPAAは、商用DVDコピーソフトの普及防止に向けた活動がいくつか成功したことを受け、今度はハードウェアメーカーにも対象を広げて活動を強化している。MPAAは、DVDのハードをはじめとする各種製品を分解調査し、ハリウッドの要件を満たしていることを確認する作業を行う実験施設を持っている。今回の動きは、こうした施設で調査を行った成果でもある。

 しかし、DVDコピーソフトの普及防止に重点を置いた先の訴訟とは異なり、チップに重点を置く今回の訴訟は、著作権法ではなく、DVD技術をコントロールすることを目的に結ばれた契約の解釈が争点になる。

 DVD読み取り技術は、DVD Copy Control Associationというハリウッド認定の技術団体によって規制されている。市販DVDにかけられたデジタルロックを解除する権利を得たいチップメーカーやDVDプレイヤーは、大手の映画会社各社が承認した独自の契約に同意する必要がある。

 これらの契約書には、DVDを複製するデバイスの製造を禁止する条項が含まれている。さらに、この契約書では、プレイヤーからテレビあるいは録画機能付きの機器に信号を出力するような各種出力プラグには十分なプロテクトをかけ、高品質な複製を絶対に作成できなくすることをDVDメーカー各社に義務づけている。

 

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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