Amazon.comは米国時間19日、中国でオンライン小売販売を展開するJoyo.comをおよそ7500万ドルの現金および株式の交換により買収したと発表した。
Joyoは英国領バージン諸島に本社を置く企業で、創業2000年。Amazonと同じように本や音楽、ビデオを主力商品として扱う。Amazonによると、Joyoは中国で最大のオンライン書店だという。
今回の契約の一環として、Amazonは、Joyo傘下の子会社および関係会社の所有権も取得した。
既に日本で事業展開する同社にとって、アジア太平洋地域に進出するのは、今回が2度目だ。同社は、既に米国、カナダ、フランス、ドイツ、日本、英国で事業を運営しており、中国はそれに続く7カ国目の事業展開となる。Amazonの広報担当によると、Joyoは、Amazonのほかのサイトから独立した形で運営を継続するという。
「世界で最も活力に満ちた市場の1つに参入でき光栄だ」と、Amazonの最高経営責任者(CEO)Jeff Bezosは声明の中で述べた。
同社は既に中国での事業拡大に向けた戦略を練っているが、中国は世界最大で最も複雑な市場の1つであることから、「ほかではみられない課題」に直面する可能性もあり、注意が必要だと、広報担当Patty Smithは述べる。
また、同氏は、中国でも他の地域と同じ手法を用いて事業を運営すると述べたうえで、現地の慣習や規制は遵守していくと付け加えた。同社は、ドイツのサイトでも、現地政府が販売を禁止している特定の書籍を扱っていない。
中国市場の特徴として挙げられるのが、全国レベルで事業を行う大手流通業者が存在しないことと、決済手段として代金引換が消費者に好まれることだ。米国をはじめとするほかの市場では、同社の顧客のほとんどがクレジットカードで支払いを済ませている。しかし、Smithによると、Joyoはパートナーとの提携を通して、既に流通ネットワークを築き上げていると述べ、代金引換という決済方法は、日本の顧客の間でも人気があると指摘した。
Joyoの幹部は、自社の顧客ベースを拡大するうえでAmazonの力が役立つと断言する。中国のインターネットユーザーは8000万人と推定されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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