ソニーは8月19日、QUALIAブランドを含む薄型テレビ8機種を発表した。新たに開発したハイビジョン放送向けの高画質システム「ベガエンジンHD」を搭載する。年末商戦に向け、シェア35%を狙う。
今回発表された機種は、ベガシリーズのプラズマテレビ3機種、液晶テレビ3機種と、QUALIAブランドの液晶テレビ2機種。いずれも地上・BS・110度CSデジタルに対応する。発売日はベガシリーズが9月20日、QUALIAが11月10日。
同社の音響機器に搭載されているS-Masterサウンドエンジンや、PSXで使われているグラフィックユーザーインタフェースXMB(クロスメディアバー)を新たに採用した。「ソニーグループが持つ技術を結集させ、テレビに投入した」(ソニー ホームエレクトロニクスネットワークカンパニー 執行役 上席常務 NCプレジデントの新村勉氏)
今回開発されたベガエンジンHDは、ハイビジョン映像を独自のアルゴリズムによってさらに高精細な映像信号に作り変えるもの。「映像をよりリアルに再現できる」とソニー ホームエレクトロニクスネットワークカンパニー 業務執行役員 テレビ事業本部長の木暮誠氏は説明する。
QUALIAブランドの液晶テレビは46型と40型の2機種を揃えた |
QUALIAではさらに、液晶のバックライトにLEDを搭載した。民生用テレビとしては「世界初」(同社)という。一般的に使われている蛍光管に比べて色の再現性が高く、より多くの色を再現できる。また、水銀を使わずバックライトの寿命が長いなどのメリットもある。木暮氏は今回のQUALIAの開発経緯について「LEDを使いたかった」と語っており、最もこだわった部分のようだ。
「年末需要のピークは過去最大になる」
販売戦略については、年末商戦を見込んで10月頃からCM放映や店頭でのキャンペーン活動を行う予定。オリンピック需要によって現在のテレビ出荷数は例年の倍といい、「オリンピック後には少し出荷が下がるが、10月〜12月の年末商戦には需要がピークを迎える。テレビの買い換えサイクルと重なり、年末には過去最大の年末需要が生まれるのではないか」とソニーマーケティング 執行役員の鹿野清氏は予想する。「年末にはプラズマテレビと液晶テレビを合わせ、国内、海外共に35%のシェアを狙う」(鹿野氏)
QUALIAブランドのテレビも、QUALIAとしては初めてソニー直営店以外での販売を行う予定だという。「より多くの人に体感してもらうため、特約店などでの販売を検討している」(鹿野氏)
希望小売価格はQUALIAの46V型「KDX-46Q005」が110万2500円、同40V型「KDX-40Q005」が84万円。プラズマベガの50V型「KDE-P50HVX」が102万9000円、同42V型「KDE-P42HVX」が77万7000円、同37V型「KDE-P37HVX」が66万1500円。液晶ベガの40V型「KDL-L40HVX」が76万6500円、同32V型「KDL-L32HVX」が51万4500円、同26V型「KDL-L26HVX」が39万9000円。
月産予定台数はQUALIAが2000台〜3000台、ベガシリーズが1万5000台〜2万台を予定している。
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