Microsoftは、自動更新サービス経由でのWindows XP Service Pack 2(SP2)の配布を、少なくとも9日間延期することにした。これは、企業顧客に対して、従業員によるSP2の自動ダウンロードを一時的にブロックする時間を与えるための措置だ。
同社はSP2を自動配布する予定だった日の前日にあたる15日(米国時間)、顧客に延期の決定を電子メールで通知した。大企業ではSP2導入の準備が整っておらず、社内アプリケーションを完全にテストできるまでSP2のAutomatic Updateをブロックするツールを用意するのに、もう少し時間を必要としている、とMicrosoftは説明している。
同メールによると、この延期措置により、Windows XP Professional Editionのユーザーは早くても8月25日まではAutomatic UpdateでSP2を入手できないという。このメールはアムステルダム在住のソフトウェア開発者Steven Binkが運営するファンサイトなど、複数のWindowsファンサイトに掲載された。
Microsoftの関係者は、掲載されたメールが本物であることを認めている。
今回の延期措置で主に影響を受けるのは、MicrosoftのWindows UpdateやAutomatic Updateサービスを利用しているWindows XP Professional Editionのユーザーだ。Windows XP Home Editionのユーザーは、18日よりAutomatic Updateを通じてSP2を入手できる。パッチ管理にMicrosoftのSoftware Update Servicesを利用している大企業は、当初の予定通り16日にSP2を受け取っている。
荒っぽいデビュー
企業ユーザーにとって、現在でも使われている古いアプリケーションとの互換性は大きな懸念要素だ。Microsoftは16日、SP2と互換性問題が生じる可能性がある約50種のソフトウェアアプリケーションやゲームを記したリストを公開した。このMicrosoftの報告には、さまざまなウイルス対策ツールやウェブサーバーソフトウェアアプリケーションからMicrosoft自身の製品まで、幅広いツールの名が挙がっている。
SP2の新ファイアウォール技術が「アプリケーションやインターネット接続機能との間に問題を起こすのは必至」であり、既存のWindowsアプリケーションとの障害は驚くに値しない、とRedMonkアナリストのStephen O'Gradyは述べている。
家庭でWindowsを利用し、ファイアウォールソフトウェアをインストールしている人はあまりいないので、個人ユーザーのセキュリティは向上するだろう、とO'Gradyは言う。
しかしO'Gradyは、大企業へのSP2リリースに関し、特にSP2がMicrosoft自らの管理ツールと互換性問題を引き起こす点について、Microsoftを非難している。「IT管理者がSP2の各機能をよく確かめながら、必要なものを選んで導入できるようにすべきだ。また特にSystem Management ServerはSP2とコンフリクトするので、この問題解決の役には立たない」(O'Grady)
こうした問題があるにも関わらず、O'GradyはそれでもSP2は導入する価値があると語った。「最近多くの攻撃や問題が発生していることを考えると、このアップデートは一種の必要悪といえる」(O'Grady)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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