Microsoftの新しいパッチマネジメントツールが今夏リリースされることを期待している企業は、どうやら、もう少し待たされることになりそうだ。
Microsoftが米国時間13日、Windows Update Servicesの出荷が来年前半にずれ込むと発表した。Windows Update Servicesは、システム管理者がPCやサーバに最新のパッチやバグフィックスをあてる際に使用するツール。3月には試験段階に入っていた同ツールは、今年中にリリースされる予定だった。
Microsoftは、リリースを遅らせたことで、開発側は、テスターから提案された変更点を取り入れられるようになる述べた。Microsoftの開発者は、同ツール以外にも、待望のWindows XPアップデート版であるWindows XP Service Pack 2(SP2)に組み込まれる新しいAutomatic Updates機能の開発にも追われている。同社によると、Automatic UpdatesをSP2に統合することが必須課題になっていることと、それに伴う試験も遅れの原因になっているという。
Microsoftにとって今回の遅れは、前日発表したXP SP2の遅れに続くものだ。当初、今月を予定していたXP SP2の出荷は、来月にずれ込む。
Microsoftが製品のセキュリティを一層重視するようになったことを考えれば、こうした遅延は避けられないものだったとRedMonkのアナリストSteve O'Gradyは述べた。
「問題がセキュリティをめぐるものであることは確かだ」と同氏はコメントした。
外部からは、Microsoftの開発者が同時進行の様々なプロジェクトに圧倒されているように見えるかもしれないが、こうした負担はビジネスにつきものだ、とO'Gradyは述べた。また、Microsoft製品をアップグレードし続けることに、多くの企業が消極的になっていることから、こうした遅れは顧客企業の計画を混乱させる要因にはならないかもしれない。「Microsoftは、IBMや他の有力ソフトウェア開発企業と同じように、絶えず、たくさんの仕事を同時に進めなければならない」(O'Grady)
それにしても、これらの遅れは、個々の開発プロジェクトがあまりにも野心的過ぎるのではないかという疑問を抱かせる。Windowsの全く新しいバージョンであるLonghornのような複雑なプロジェクトの製品リリースが2006年以降まで延期されたことで、同社の製品計画が全体的に減速している。「Microsoftが取り組もうとしている課題の多くは、非常に難しいものだ。なので、こうした遅れはあまり驚くには値しない」(O'Grady)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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